【現パロ金カム】紅影 (ページ4)

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第二話ページ4

「あ...ああっ！！」

テレビの時間を見て自分は思わず叫ぶ。
只今の時刻、7:45分。
家出るまで、後数分しか無いじゃないかッ！！

「やばいやばい遅刻するッ...！！」

杉元はそう言って、冷蔵庫にある昨日作ったおにぎりを温めもせず口に頬張り、不格好な作業服を着て勢い良くドアを開けた。

今日の天気は運良く晴れ。
日差しが自分を焼き付けた。

しかし、駅に着いたは良いものの...流石の通勤ラッシュ。
辺り一体は人、人、人、人...。

混みまくりの駅はまるで激流のようだった。
駅の中を人の流れの中で右往左往していると、長髪の少女が自分の横を横切った。

「あ...」

杉元は小さく呟いた。
どうやら少女も此方に気づいたらしく、振り返る。
その時靡いた少女の髪は艶やかで、そしてサラサラで、黒光りしていてなんとも言えない美しさだ。

そしてその中でもいちばん美しかったのが、少女の目だ。深い青緑で全てを吸い込まれそうなその美しい目は自分を魅了した。

_____あ、ダメだ。ロリコンになりそう。

杉元はそう思った。
しかし、咄嗟に我に帰る。

そして思い出した。
その少女は今日見た夢の少女だと言うことを。

人の波に飲まれる中、少女はこちらを向いたまま、何かを呟いた。

それは遠目でもハッキリわかる。

____す、ぎ、も、と

しかし、少女との距離は人の波で離れてしまいそれを再確認する事は出来なかった。