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208話 罪穢れ(2) ページ3

アシリパ「キロランケニシパが・・・合図?
どうして?何のために?」

尾形「アシリパがのっぺら坊を自分の父親だと確認するのを待って誰かに狙撃させた」

アンケシ「ちょっと待て・・・じゃあなぜAは?私のアチャまで?!」

百が後ろをチラチラと確認しながら答える。

尾形「Aはイソンノアシと大事な話をしていた。それをキロランケが聞いてしまった」

  「殺すつもりは無かったが、和人のAにアイヌの金塊を渡す訳には行かなかったんだろう」

アンケシ「・・・・」

尾形「ウイルクとイソンノアシとの間に何があったかは知らんがおおかた金塊の用途で揉めていたんだろう」

アシリパが問いかける。

アシリパ「何でそれを・・・今まで私達に黙ってた?」

尾形「お前たちがさっき暗号を解く鍵を思い出したからだ」

  「それにはキロランケの協力が必要だと考えたから俺は黙って様子を伺っていた・・・」

  「それに、Aの致命傷となったのは爆撃だから・・・アンケシが自分を責めてしまうだろ?」

アンケシ「っ・・・・・」

違う、やめて。

Aは、絶対に生きている。


尾形「俺は金塊が手に入れば何だって良いがこれ以上キロランケと組むのは危険だ」

  「お前たちだって暗号を解く方法を聞き出せば消されるかもしれんぞ」

  「俺や白石だってその可能性はある」

アシリパの手が汗ばんでいる。

アシリパ「キロランケニシパが?」

声が震え、緊張が走っている。

尾形「アシリパ アンケシ教えてくれッ」

  「何を思い出したんだ!?」


・・・・・考えろ。

百が本当のことを言っているかなんて限らない。

尾形「何を思い出したんだ?早く教えてくれ。
アシリパ!!アンケシ!!」

  「・・・俺は杉元とAに頼まれた」

アシリパ「・・・!?杉元?松崎?」

アシリパが百を見つめる。

百が先に佐一の話を始めた。


撃たれた佐一に近づいたとき、佐一にはまだ意識があったと。


尾形「【俺の親友は旅順で死んだ。
アイツの嫁さんに金塊を少しでいいから分けてほしい】」

  「【眼の手術を受けさせてやりたい。頼む】とな」

アシリパ「そんなこと一度も話さなかったじゃないか!!【見に行った時はすでに死んでた】って・・・」

尾形「アイツが最後に話したのは故郷にいる親友の未亡人の事だったからだ」

  「こんな話・・・アシリパは聞きたかったか?」



百は、私を見下ろした。

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白文鳥 - ととさん» 嬉しいお言葉を有難うございます!訳あってこの作品はpixivにお引っ越ししました。励みを有難う御座います!そちらの方で頑張ります! (2022年1月8日 19時) (レス) id: 50fca864bb (このIDを非表示/違反報告)
とと - ここまで一気に読み進めてしまいました。続きが読みたくて、急いで単行本を読みました笑 主人公と周りとの距離感がたまらなく好きです。 (2021年6月24日 22時) (レス) id: 2c3ad1893b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白文鳥 | 作成日時:2021年1月18日 21時

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