暗殺チームのバンビーニ【ジョジョ5部】

「敵襲に注意せよ！ アウト！」�� ページ43

 


暗く湿っぽい土の中を引き摺られる感覚。
時より角張った石がドルチェの身体に傷をつけていく。なにより恐ろしいのは土の中には空気が無いことだ。

(苦しい……っ、息が…できない……)



「ぶボ、イッ、ビ〈ビーチ・ボーイ〉！」
もがいていたペッシが何かを掴む動作で叫ぶ。
引っ張られるように浮上し、視界が急に明るくなる。



三人と息子(ジュニア)は地上に放り上げられた。

プロシュートは空中で体勢を整えながら回転、スマートに着地。
ドルチェと息子(ジュニア)、ペッシは車のボンネットに反射した、きらり、と光る太陽に叩きつけられた。



「ペッシ、ありがとう！」
「でかしたぞ、ペッシ。良くやった」
役立てたことにペッシが頰を緩ませるのも束の間、その頰は再びひきつることになる。



地中からセッコが姿を現すや否や、凄まじいパンチを連続して繰り出してきた。

「〈ザ・グレイトフル・デッド〉！」


プロシュートが叫んだ瞬間、景色の一部分が陽炎(かげろう)のように揺らめいた気がした。
見えない空気抵抗がドルチェの肌をビリビリと震わせる。

──ここで誰か(スタンド)が戦っている！




プロシュートが双の腕をかざして防御の体制をとる。鋭い風が悲鳴をあげる度に、プロシュートの腕からは血が吹き上げていた。


「プロシュート！！」
「オレにかまうなッ！ 敵を始末する事だけに集中しろッ！」

はっと息を呑む。
ギアッチョの攻撃を潜り抜けて現れたのだ、このセッコという敵は。


スタンド能力を持たないわたしがスタンド使いに勝つ方法はいたってシンプル。
本体を撃ち抜けばいい。
でも、そのシンプルさが案外難しい。





これは試練だとAは思った。

ギアッチョに言われたからだとかじゃない。
そう、これは自分自身の試練。


本気でソルベとジェラート(ギャング)の世界で生きていく気ならこれしきのこと(・・・・・・・)を乗り越えられないようでは、とてもこの先やっていけない。


──やってみせる。
セッコを、わたしの手で仕留めてみせる。


 

スタンド名─オアシス�、�←「敵襲に注意せよ！ アウト！」��

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