第9話 ページ9
店員さんもとい優香さんと楽しげに話す総悟に、私はいない方がいいんじゃないか…なんて考え始める、ネガティブ思考に私は頭を振ると、メニュー表に目を通すことにした。
総悟「あ、ちょいと話し込みすぎやしたね」
優香「それはそうですね
えっと…この方は?」
総悟「あぁ、俺の友達(?)のA」
優香「ヨロシクね、A」
急な呼び捨てと、総悟との態度の違いに私は驚いた。総悟と話している時にはキラキラしていた目も、乾いた笑いを含んだ目になっていて、無言になってしまった。
総悟「A、何頼みやす?って、
どうかしやした?
元気ないですねィ」
そうやって俯いている私の顔をのぞき込むように、見てくる総悟に無理やり作った笑顔で、大丈夫大丈夫と答えた。
優香「そろそろ、仕事に戻らないと…
あ、その前に…
A、ちょっといい?」
A「…」
私は無言で席を立つと
優香さんについて行った。
連れてこられたのは、関係者以外立ち入り禁止と札にかかれた部屋。総悟といた時との態度が一変する。
優香「で?
あんたは総悟の何!?」
怒りに任せた言い方なのか、そう叫ぶように言う優香さんに恐怖を覚えた。
A「友達ヨ」
優香「恋愛感情はあるの?」
私の、「友達」という一言で、少し落ち着いたのか優香さんはそう問いかけられた。その表情には、少し嬉しそうな意地悪なのものを合わせたようなが浮かんでいた。
A「無い……ヨ」
優香「そっか、ごめんね、
その、強く言いすぎて」
元の態度に戻った優香さんはごめんね?そうやって何度も謝った。でもその目には、顔には、じゃあ手を出さないでよね、そう書かれていた。
通り過ぎざま、優香さんは意地悪な笑いを含みながら、耳元で囁いた。
優香「総悟をとらないでよね」
私は黙って総悟のいる席に戻った。私の態度が表情がどんどん悪くなっているのが自分でもわかって、総悟が大丈夫ですかィ?と再度聞いてきて、大丈夫とまた、無理矢理笑顔を作って答えた。
総悟「……」
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作者名:マロン | 作成日時:2018年11月5日 18時