時代が変わろうとも宿儺の姉［両面宿儺］

三十二話 ページ37

一気にぶっ飛ばされさっきまで遠くにあったマンションまで吹っ飛ばされた。
というか一体何が割り込んだんだっ？！


『ゲホッゲホッ』

「なっ！A！？どうしてここにっ！？」


Aは宿儺の姉だ。今庇ってくれたからっていつ寝返るかわからない。どうすれば...！


『いや、胸騒ぎがして早めに帰ってきた。まさかほんとに当たってるとは思わなんだったが、伏黒君はそこで休んでな。私が宿儺と話すから』


仕方なく鵺を解いた。とはいえ鵺も限界だったから助かった。

鵺を解いたのを確認して優しい笑みでこちらを見た。
その笑顔はどうもあの人に似てて、宿儺の姉でもこんな顔できるのかなんて思ってしまった。


伏黒side 終


Aside


さて、何気に虎杖君が受肉してから話すの初めてなんだよなぁ。何を話せば良いのやら。

なんて呑気に考えてると宿儺が降りてきた。
いや、落ちてきたのほうがあってるか？


『久しいなぁ、愚弟よ』

「...姉上....」


虎杖君の顔で姉上ってなんだか新鮮。
そんなことはどうでもいいか。


『宿儺、虎杖君の心臓治してやりなよ』

「断る。折角面白いところだったというのに」


うーん、昔より図太くなったか？
それとも1000年も躾してなかったからかなぁ。


『困ったな』

「そんなことこれっぽっちも思ってないくせに」

『ハハッそんなことはないさ』

「しかし、面白い術式だな。オマエの式神、影を媒体にしているのか」


伏黒君に興味を示してる？
珍しいな。宿儺が人に興味を示すなど。
少し見ててやるか。


「...ならなんだ」


こちらをチラッと見ながら宿儺に答えた伏黒君。
こちらを見られても困ってしまうなぁ。
思わず心の中で笑ってしまう。


「フム、分からんな。オマエあの時何故逃げた」

「？」

「宝の持ち腐れだな。まぁいい、姉上がいようとどの道その程度では心臓(ココ)は治さんぞ」


伏黒君だけではなく私にも言うように見せた宿儺。
全く、相変わらず我儘だこと。


「つまらん事に命を懸けたな。この小僧にそれ程の価値はないというのに」


さて、伏黒君はどうするのだろうか。
手助けをした方が____！！


ビリビリビリ


なんだこの圧、伏黒君から出るこの感じ。
これじゃまるで禅院家相伝の....
待て、待てよ。
影を媒体とした術式。
そうか！！今まで何故気づかなんだった！？
何故名字が違うか知らんが、伏黒君は御三家が一つ、禅院家の血が混じってるのか！！
あれは禅院家相伝の術式、十種影法術！！

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