【銀魂】睨まないで女医さん

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————Gintoki side———






朝、目覚まし時計の音で目を覚ませば

どこからか香る美味しそうな匂い。




布団から起き上がり、襖を開けて
その匂いをたどる。



その美味しそうな匂いは、台所から。

台所の戸を開けるとそこには、




『…銀時、おはよう』



白いエプロンをつけたAが
朝飯を作っている。


いつもの無表情はどこに置いてきたのか。
Aは俺を目にした途端に

ふにゃ、と柔らかく微笑む。




……A




『ふふふ、寝癖、ついてる』




白くて細くて綺麗な手が、俺に向かってくる。
その手をぐっと握って、後ろに引くと

バランスを崩したAが、俺に向かって倒れてる。


ぽす、と俺の胸に飛び込んできたAを
左腕で抱き締めた。






『…銀時…？』



A、Aっ…



『どうしたの…？』



…っA、俺っ、おまえが…！







｢———すっ！！！………、あ？｣






いつもと同じ部屋。

まだ薄暗い。



｢……ゆ、め……？｣




少しずつ頭が覚めてくる。
そう、さっきまでのは俺が俺自身に見せた
夢。





｢、〜〜〜っ！！！｣






——————————





｢…あれ、銀さん。起きてたんですか？
ご飯できてますから…って、どうしたんですかその隈…｣




｢……いや、なんでもねぇよ…｣





足元が覚束ない。まぶたがすごく重い。
脳みそがぐわんぐわんと回っているように感じる。




全っっ然 眠れなかった……




なんとかソファーに座ると
神楽が向かい側のソファーに腰を降ろした。




｢新八ぃ！また"ごはんですよ"アルか！いい加減飽きたヨ！｣




ごはん……ごはん……


Aの……手作り、朝ごはん……




茶碗を左手に、箸を右手に持った神楽が
"ごはんですよ"を寂しげに見つめている。




｢……Aのご飯を食べてみたいアル…｣




………Aの、ごはん





｢…だよなっ！！？！Aの手作り料理！朝昼晩、三食食べてぇよな！？
Aの！白いエプロンを！見たいよな！？｣




｢いきなり何アルか。キモいネ。｣




｢銀さんは疲れてるんだよ。そっとしておこう｣






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