スキル幸運EXの糸師家長女 (ページ9)

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雪宮君ページ9

東京の眼科に通院しないといけない僕はその日は眼科に久しぶりに来ていた。混んでいたのでできるだけ、右側を壁沿いにして慎重に気を付けて歩いていた

そんな時に人に当たってこけかけたところを眼鏡をかけた男の子に助けられた

「大丈夫？」

「あ、ごめんなさい……」

顔を見て驚いた。モデルとサッカーでも有名な雪宮剣優君だったからである。間違いなく幸運だろうな

「君、もしかして、右目が見えないの？」

「…はい」

右側に手をブラブラとさせられてもよく見えない

「そっか。人が混んでるし、ここじゃ危ないから人が空いてる場所まで案内するよ」

「いいんですか？」

「うん、いいよ」

雪宮君は人を避けて誰もいないスペースまで連れて行ってくれた

「あのありがとうございます… 雪宮剣優さんですよね？」

「やっぱり、知られていたか。そうだよ。君は見た目からして××中学の幸運印の無敗の勝利の女神ちゃんだよね?」

「……その異名は恥ずいです。糸師空です。よろしくお願いします…」

一番知られたくないことを知られていた。恥ずかしい

「ああ、ごめん。本人とっては恥ずかしいよね。話題を変えようか。空ちゃんは失明してるからここに来たの?」

「一年前の交通事故で右目が失明しました。雪宮さんは治らない目の病気とかですか？」

「うん、そうだよ。だけど、チームとかには秘密にしてるんだ」

適当にいったら当たった。しかも、秘密だったのにバラした

「……雪宮さんはこの世界が両目で見えてるんですね…僕は片方しか見渡せないから羨ましいです……僕は前触れもなく半分だけになったので…不謹慎ですが、前触れがある雪宮さんが羨ましいと思ってしまいます…」

「そんなこと言われたのは君が初めてだな。君は……少し不思議だけどいい子であることは俺にもよくわかるし、嫌な気分にはならない」

何故か、心からの本音がぼろっと溢れた時、雪宮君は笑顔で笑っていた。この人は青い監獄にいるべき人だと思った。エゴイストがよく似合っている

「これ、一応、俺の連絡先」

「はい？」

「空ちゃんだっけ？目のことで色々と話したいから渡しておく」

「…そうですね」

もしかしたら、僕の懐のお金があれば彼の病気を少しでもサポートしてあげられるかも。よし、こっそり、後でサポートしよう