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すみませんすみません、と何度も謝って頭を下げて、交番を出た。彼らは「事件じゃなくてよかったよ」と満足そうだった。すごく良い人たちだった。騙してごめんなさい。
少年と手を繋いで家に向かう。手を取ったときは恥ずかしそうにしていたけれど、解かれることなく繋いだままだ。照れくさいだけで嫌ではないのだろう。かわいいやつめ。
少年は前を向いたままあたしに質問を投げかける。
「なんで嘘なんて吐いたんですか」
「えー……少年が困ってたからかな」
「べつに困ってなんか……！ ……いえ、助かりました。でもどうして」
「少年が言った住所って嘘じゃないんでしょ？ だからあたしが嘘吐こうと思って」
「い」
意味が分からない…………少年、そのつぶやきガチのやつだろ。いーんだよ意味なんて。カッコつけたいだけなんだから。恥ずかしいじゃないか。
こういうところで自分の中二病が抜けてないことを再確認してしまう。あたしは特別なんかじゃなかったんだ……。
「きみは本当に降谷零で、米花市ってところに住んでるんでしょう。米花町？ まあどっちでもいいけど。ならそこに帰れるまではうちにいるといいよ」
「帰れないかもしれないのに？」
「あ、それは本当に大丈夫。確証はないけど帰れるよきっと」
だってあの世界には少年が必要だし。
少年は何を言っているんだか、と呆れと非難が混ざったような視線を向けてきた。なんだその目は。こちとら一応恩人だぞ。
でも普段はあたしが彼から癒しをもらってるわけで、だからがんばれるわけで……借りを返したようなモンか。おっけーじゃあそういうことで。
「さあ帰ろう。帰って少年の服やら生活用品やら食材やらを買いに行かなきゃ」
「僕お金持ってませんが」
「あたし出すよ」
「そんなっ、悪いですから！」
「気にしないで、お金なら無駄にいっぱいあるから。未来への投資だよ。子供は大人に甘えときなさい」
「言うほど子供じゃないんですけど」
少年が唇を尖らせる。そういうところだよ、子供っぽいのは。かわいいから言わないけど。
「じゃあ一個だけ教えてよ。きみの将来の夢」
「警察官」
「即答だね！ そっか警察官か〜〜、うんうん、似合ってるよ！！」
「僕バカにされてますか」
「まさか。やっぱり本物だなって思っただけだよ」
やっぱり彼は
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えりんぎ苺(プロフ) - バッグ・クロージャーさん» 面白いと言っていただけて嬉しいです……！ 楽しみにしていただいているので、更新頑張らなくっちゃですね。コメントありがとうございました！ (2020年5月25日 16時) (
レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎ苺(プロフ) - ひかりさん» 面白いと言っていただけて嬉しいです。すぐに反応していただけるとは……わたしは幸せ者ですね！ 更新頑張ります。コメントありがとうございました！ (2020年5月25日 16時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
バッグ・クロージャー(プロフ) - すっごく面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2020年5月25日 16時) (レス) id: 09ffad4c5f (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - めちゃ面白いです！さっき更新された話もまじ良かったです！ 更新待ってますっ！！ (2020年5月25日 16時) (レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎ苺(プロフ) - サクラさん» 面白いだなんて、すっごく嬉しいです！ 零くん視点の予定はなかったのですが、もしお待ちいただけるのなら、完結後に番外編として書かせていただきたいのですが、よろしいでしょうか？ コメントありがとうございました！ (2020年5月25日 13時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ苺 | 作成日時：2020年5月21日 19時
