早口熱血漢×武闘派少女ってアリ？【合宿番外編】

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『浦城先輩の髪超綺麗だしっ!!』



『サラサラの黒髪の子だったぞ?』



黄瀬君と木吉君の言葉が交互に何度も聞こえる。

私もサラサラの黒髪があれば…

こんな癖毛じゃなく…

泉ちゃんみたいな、あんな黒髪があれば………




「あっ、桜!!」




振り返ると、泉ちゃんが走って来た。

走るたび、後ろで結った黒髪が左右に揺れる。

どうしよう…髪につい意識がいっちゃう。

泉ちゃんは気にせず話しかけてくる。



泉「桜蒼井先輩見なかった!?海常のマネージャーで、背中まで髪のある!!」



かろうじて、泉ちゃんの言うことを考える。

海常のマネージャーってあの人だよね。綺麗な髪の……


頭に記憶の隅に残っている蒼井先輩は、潮風に髪をなびかせた綺麗な先輩………


あの人も大切にされたのかな…

私なんかより、ずっと…ずっと………皆に好かれて……っ!!



桜「……っ、ごめん、見てないや。」

泉「そっかぁ〜。蒼井先輩どこ行っちゃったんだろう。」


泉ちゃんが何かする度黒髪が綺麗に揺れる。

やだ……見たくない!!

これ以上見せないで!!


桜「ごめん…役立てなくて……」

泉「なんで桜が謝るのww………桜」



本当に私もあんな髪だったら…

そうだよっ、こんな癖毛じゃなく泉ちゃんみたいな髪だったら!!

なんで泉ちゃんなの!!

なんで私じゃないの!?

泉ちゃん黄瀬君に興味ないじゃん!!

なのに、黄瀬君に好かれてずるい!!

ずるいずるいずるいっ!!



泉「なんか、顔青いけど大丈夫?」






泉ちゃんが……泉ちゃんみたいな髪が…………憎い…………






泉ちゃんの肩を押す。

泉ちゃんが若干後退する。




「桜……?」




泉ちゃんが信じられないような顔して立っている。

やめて!!見ないで!!

見ないで見ないで見ないで、見ないでよぉ……



桜「……っ、泉ちゃんにはっ、関係ないよっっ!!ほっといてっ!!」




もう嫌だっ、なんで私ばっかり!!

私だって好きでこの髪で生まれたわけじゃないのに…!!

私だってできるなら泉ちゃんみたいな髪がよかったよ!!

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