【呪術廻戦/逆ハー】フェロモンが暴発した件について。2

37: 類同な曩祖 ページ36

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あの後、結局直哉さんと2人でお昼ご飯を食べることになって、死ぬほど肩身の狭い思いを味わった。

移動中もそうだけど、食事が運ばれてくる時も毎回女中さんが違ったから見定めるような、値段をつけられてるような視線が刺さりまくった。急に私みたいなのが直哉さんと食事をして、その上婚約の話だのなんだのをしてたからそうなるのは当たり前なんだろうけど。

男の人だったらフェロモンの効果であんな視線向けられることはなかったんだろうって考えて、フェロモンに頼ろうとしてる自分に嫌悪感が湧いた。



｢探し物しに行っただけなのに疲れちゃった。｣



そんな本音が零れる中、直哉さんから貸してもらった本に目を向ける。

本当は家で読むべきだったんだろうけどこれ以上あの家にいたくないし、ギリギリでチケットが取れた新幹線に乗って東京に帰りながら本を読もうとする。が、あることを思い出して手が止まった。

そういえば直哉さんは何でこの本を自室に持ち込んで読んでいたんだろうか。何百年も前の人の記録なんて見る意味なんてないのに。思い返せば私のフェロモンの暴発についても知ってたし、加茂家と五条家の当主が求婚してるっていう話が外部に漏れつつあるのかもしれない。だから前もって私の情報を調べて、近しい術式を持ってた人を調べてた……とか？

でもここまでする理由なんて直哉さんにはないしなぁ……深く考えすぎない方が良いかな。

あとこれ以上関わりすぎると本気で直哉さんが婚姻の話を出してきそうだからこの本も読み終わったら禅院家に郵送した方が良いかな。真依さんに頼んでも嫌がられちゃいそうだし。



「それにしてもページ数多いな、この本。」



ボソッと文句を呟いてから、1枚1枚パラパラと雑に捲って読みたい箇所を開く。

本自体のページ数は多くても1人分の情報は少ないはず。いくら私みたいに変な暴発が起こったとしても3ページくらいにしかならないだろう。元々禅院家のことを記述する本だし、慶光院家なんて小さな家系のことを長々と書くはずもない。

この暴走を止める方法が書かれてれば良い方。書かれてなくても仕方ないって諦めたほうが早い。そんなことを考えながら一文一文を読み進めていく。

そして、息が止まった。



「暴発……の、止め方？」



暴発して数か月、ようやく解決の糸口を見つけた。

そしてそれが、どう考えても無理な方法であることも同時に知ってしまったのだ。

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