【呪術廻戦/逆ハー】フェロモンが暴発した件について。 (ページ34)

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私の手を掴もうとした宿儺の腕を振りほどく。

宿儺がいる方とは反対側からベッドを降りてドアへと向かう。が、さすがに見通しが甘かったみたいで宿儺にドアの前を塞がれた。

「逃げ惑う姿は滑稽だがそう易々と逃がしてもらえると思うなよ、小娘。」
「だ……って、宿儺が変なこと言うから……！」
「お前の反応を見て楽しむ、と言っただけだが？」

それが変なことだって言ってるのに全然伝わらない。

領域を展開されれば私の逃げ場なんて本当になくなっちゃうし最悪命を落とすけどそうしないのは近くに五条先生がいるからだろう。

前に今の宿儺は五条先生でも簡単に払えるって自慢気に言ってたし。

「つまらんな、俺以外の事を考える余裕があるとは。」
「……ひっ！」

色々考え事をしていて無防備だった私の鎖骨部分に舌を這わせた宿儺に身震いをする。

逃げようと身体を動かすが脚の間に脚を入れられて身動きが取れない。こんなの世界一ドキドキしない壁ドンだ。

キッと思い切り宿儺を睨み上げるけど楽しそうに笑うだけで本当に私の様子を見て楽しんでいるのが分かる。

「そうだ小娘、お前から俺に口付をしてみろ。」
「は！？無理だって！」
「仕方ないな。」

その言葉を聞いて諦めてくれたのか、と安心したのも束の間、宿儺の脚が徐々に上がってくるのを感じる。

膝上5㎝くらいにあった宿儺の膝はもう太腿の中間まで来ていて。

タイムリミット、ってことだろうけどニヤケ面に腹が立つ。

「まだ抵抗心があるのか。」
「じゃあせめて目は閉じてくれない？」
「……ほら、」

目を閉じた宿儺を見て、こうすれば虎杖くんて感じがするんだけどなぁ、なんて思いながら宿儺の頬に手を伸ばす。そして触れるだけのキスをした。

と、宿儺は急に床に座り込むように倒れていく。それに驚いて急いで顔を覗き込むと宿儺と入れ替わった虎杖くんがゆっくりと目を開いた。

「は……？A……？」
「寝惚けて部屋来ちゃったみたい。」
「え！？ご、ごめん！」

いいよいいよ、なんて言いながらあたふたと部屋から出ていく虎杖くんに手を振る。と、虎杖くんはクルッと後ろを振り向いて私のおでこにキスを落とした。

太陽みたいに明るい笑顔で「おやすみのちゅー！」と言って部屋に戻っていった虎杖くんを見てから破壊力の大きさに悶える。

さっきまで宿儺のせいでギラギラしてたのに急に子供っぽくなるのは反則じゃん。

どうしよう、更に寝れなくなっちゃった。