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story217 ピアノソナタ『月光』殺人事件49 ページ23

Aside

「もう遅いよ」

新一君が麻生さんの楽譜を放り投げ、咳き込んでいる成実さんの腕を引っ張り上げながら早くここを出れば間に合うと言っていたが、成実さんはもう遅いと言った為、新一君が驚いていると同時に抱き上げた
その時、炎の勢いが凄くなっているのが分かる
まだ...私の出る幕じゃないわね...
だけど...この炎の勢いを見る限り、あまり時間がないわね...

「俺の手はあの4人と一緒。もう血みどろなんだよ」

「セイジさん?うわぁ!あ〜っ!」

成実さんは悲しげな表情のままそう言って新一君を脱出させる為に公民館の窓から投げ飛ばした衝撃で公民館の窓ガラスが割れ、バリーンと言う音が響いた
新一君がいないのを見計らった私は成実さんの前に姿を見せる

成実(なるみ)さん...いいえ、成実(せいじ)さんって言った方が正しいかしら?』

「!!君は...!何故ここに?ゴホゴホッ...早く、逃げないと...ッ」

私は物静かな声で成実さんのいる場所へ歩くと同時に栗島 寛治の死体が燃えない様にしっかりと持っていた時、成実さんは私がいた事に驚きを隠せなかったらしくどうしているのかと問いかけると同時に逃げる様にと言ってくるが、煙を吸った所為で咳き込んでいる

『逃げるのは貴方も一緒よ。成実さん』

「俺はもう引き返せない。俺の手はあの4人と一緒...もう血みどろなんだよ!」

私は物静かな声でそう言うが成実さんは自分の手は殺害された4人と同じ様に血みどろでもう引き返せないと言ってきた
......この手はあまり使いたくなかったけど、仕方ないわね
私はいったん袋に入っている栗島 寛治を置き、手袋をしたままゆっくりと袋を取り、彼の遺体を見せる

『そんな事ないわ。この死体を見てごらん...貴方が血みどろなら私の手はもっと酷いのよ。そう...この人も私の手によって殺された人間の一人』

「えっ?」

私は物静かな声で栗島 寛治の時代を見つめながら成実さんが血みどろなら私の手はもっと酷い事や彼も私の手によって殺された人間の一人だと言うと成実さんは信じられないのか声を漏らす
火が強く始めてる...!早く行かなくては...!
このまま残っていたら、私まで逃げられなくなってしまう!

『いいから逃げるわよ!逃走ルートは確保してるから!』

「俺はいいんだ!もう無理だ!」

『駄目よ!そんな事をしたら、あの子の心に大きな傷をつける事になるのよ!決して消える事のない大きな傷をね...そんな事をしたら私は絶対に貴方を許さないわよ』

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作者名:黒羽明菜 | 作成日時:2018年6月16日 2時

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