【名探偵コナン】ブロンドの髪を持つ美少女は宮野姉妹のいとこ！PART5 (ページ22)

今日:2 hit、昨日:27 hit、合計:125,442 hit

story216 ピアノソナタ『月光』殺人事件48 ページ22

Aside

私が公民館に着いた時は既に燃え広がっていて、あらかじめ用意しておいたハンカチを口に当て、先に入って行った新一君に見つからない様に身を隠す
そしてジンに射殺したと偽り、APTX4869で服毒死した栗島寛治の遺体を持ってきた
どうやって持って来たかと言うと組織のしたっぱに連絡して持って来させたのだ
まぁ、この人は成実先生と年齢も体格も同じだし、歯形も同じになる様に変えさせて貰った
ピアノの部屋には成実さんがいて、成実さんは麻生さんのピアノに寄り添っている

「終わったよ...お父さん、何もかも...」

ﾋﾟﾝｯ!

「まだ終わっちゃいないよ！駄目だよ死んじゃ」

「コナン君」

新一君がまだ終わっていない事と死ぬのは駄目だと言うと、成実さんは悲しそうな目で新一君の名前を呼ぶ
火の威力はさっきより強くなっているけど、今は栗島寛治の遺体を新一君に見られない様にするので精一杯だ

「お父さんが残したこの楽譜にも書いてあるじゃない...【セイジ、お前だけは真っ当に生きてくれ】ってね」

「そんな告白文が残ってたなら俺がこんな事をする必要はなかったかもな...」

新一君が麻生さんの楽譜を見せながら読み上げると成実さんは告白文が残っていたのなら、自分がこんな事をする必要はなかったと言っていた為、新一君は驚く
そりゃそうだ...麻生さんの告白文を知らずにどうやって麻生さんの事を知ったのかと思うくらいだ
成実さんは新一君に訳を話していた

麻生さんが奥さんと娘さんを殺して自殺するなんて信じられなかった事や医大を出た後、真相を探る為に月影島に来た事、麻生さんの息子だとバレない様に女医師として活動し、医師免許には名前の読み方が書いてないから誰も疑わなかった事、麻生さんの死の経緯を知ったのは亀山さんにグランドピアノがある部屋に呼び出され、成実さんが麻生さんの息子だと分かった途端、急に怯えて麻薬の事、暗号の事、麻生さん一家を殺害した事を話した途端、亀山さんは心臓麻痺で亡くなり、彼の遺体の傍で葬送曲として麻生さんの好きだった『月光』を弾いている時に今回の殺人を思いついたのだと...
話し終えた直後、成実さんは煙を吸ってしまった所為で咳き込み始める

私はハンカチを口に当てながら新一君達の話を無言のまま静かに聞いている
栗島寛治の遺体はこの炎で燃えない様に必死で守ってる所だ
今の所は炎はまだ酷くなっていないのが幸いね...

「とにかく早くここを出よう！セイジさん！今ならまだ間に合う」