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ふとした彼女の愛情 福 ページ40

「は、話って。別に今更することも特にないですし...。」
「そんなことはないでしょー!付き合い始めて早半年。ちょうどラブラブな時期なんじゃないのー?」

ぐいぐいと迫ってくる同僚に軽く苦笑いしつつ、ふと彼女の生活を振り返ってみる。

朝、起きて普通に挨拶。朝食は当番制でお互いが作る。
昼、それぞれ仕事へ。昼食はお弁当を朝食担当の人が作る。
夜、帰ってきてから普通に風呂、夕飯。夕飯は早く帰ってきた方が作る。

至って普通の生活だ。

しかし、そんな1日を同僚に伝えると、彼女はありえないという顔をした。

「それだけ?会話とかは?」
「挨拶とか、その日会ったこととか。それが普通じゃないですか?」

詩乃の言葉にがっかりしたように頭に手を当てる彼女。そして小さくため息をついてから彼女は少し大袈裟に話し始める。

「あのねえ、いわゆる今時の女の子が憧れるって言えば、毎日愛の言葉を囁いてくれる彼とか、たまにものをプレゼントしてくれるとか」
「いや、今時じゃあないですから。私。」
「今時だよ!」

鋭いツッコミを入れた後、彼女は今日何度目かのため息をつく。
そんな彼女に詩乃は首を傾げて口を開く。

「大体、今時でも今時じゃなくても、普通愛の言葉がどうこうだなんて、みんなしませんよ。」

そういうと、同僚は軽く拗ねた様子で、こう言った。

「はいはいそうですね〜。なーんだ、やっぱり詩乃のとこの旦那も他と同じか。つまんないの〜。」

その時だった。
詩乃がピクリと反応したのは。

「他と...同じ?」

少し低めのトーンで返す詩乃には全く気づかず、能天気に同僚が口を開く。
そしてーー。

「そうそう、ほかの旦那さんとかの話と全く同じ...。」
「そんなわけないじゃないですか。」

彼女の落ち着いた、鋭い声が、その場を制した。

ふとした彼女の愛情 神→←ふとした彼女の愛情 七



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桜月花(プロフ) - 紺さん» たくさん送ってくださって本当にありがたいです!そこまで言っていただけると私もとても励みになります!ご愛読ありがとうございました! (2019年5月9日 22時) (レス) id: 8714acda80 (このIDを非表示/違反報告)
- 沢山送ってすみません!凄く素敵な作品でした!もちろん右のお星様押させて頂きました! (2019年5月3日 3時) (レス) id: de02aba2c8 (このIDを非表示/違反報告)
- 幻太郎…惚れたわ結婚しよう() (2019年5月3日 3時) (レス) id: de02aba2c8 (このIDを非表示/違反報告)
- 間違えて二個送ってますた。← (2019年5月3日 3時) (レス) id: de02aba2c8 (このIDを非表示/違反報告)
- 家でげんたろ〜とか、だいす〜とか叫んでたら親に怒られました。全く、どうしてくれるんですか←すみません、悪いのは私です。 (2019年5月3日 3時) (レス) id: de02aba2c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜月花 | 作成日時:2019年2月8日 16時

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