19話 〜Your side〜 ページ20
目を覚ましたのは駅員室の質素で硬いソファーの上だった。
慌てて確認した時刻は既に18時51分。……嘘、もうそんな__
「だ、大丈夫ですか? 目覚めました?」
「へぁ!?」
…自分でも痛感するほどマヌケな声だった。
一人きりだと思っていたからかなりびっくりだ。
「良かったぁ…意識あったんですね、本当焦った」
…意識あったんですね、って失礼な。ただの貧血よ。
そう言って胸を撫で下ろしたのは、気絶寸前に見た顔だった。
おそ松に瓜二つ。そっくりな顔立ちだか、所々が違う。
くりんと大きな黒目に可愛いアヒル口。洋服もあの赤パーカーみたいのじゃなくて、綺麗なお出掛け服…みたいな?
「あの…そんなにジロジロどうしました?」
男の人が怪訝な声をあげた。
「あ……すみません、ちょっと知人に似ていたもので」
そう言うとそうですか、と分かってくれたらしい。
…しかしここまで似ていると気味が悪い。
「……あの、もしかして」
その言葉は考えるより先に声になっていた。
「貴方、『松野さん』だったりしませんか?」
「……え?あ、はい、そうですけど…」
まんまるの瞳をもっと丸くして驚く彼。……やっぱりそうか。
「失礼ですが、お名前は……?」
「松野トド松です」
『トド松の奴、酷いんだぜ!?アイツ、クソドライモンスターだわ!!』
「あー……クソドライモンスターさんか……」
「ん!? ちょっと今初対面にしてはかなり失礼な言葉聞こえたけど気のせいですかね!?」
「すみません、気のせいじゃないと思いますね」
「今かなりさらっと言ったけどそれかなり傷つきますからね!?」
…ツッコミスキルが高いようだ。流石は松野家。
「…あの、何で僕の事知ってるの? あ、合コンとかしたっけ?」
「えっと…とりあえず合コン関係者ではないです」
敬語は何処かへと消えたようだ。確かに見ず知らずの女に身元割られてたら怖いよなぁ。
「あの、長男の彼女……です、あ、でしたの方が正しいのかな……」
あっ、と気がついた様子のトド松さん。一気に重い空気が流れ始める。
さっきまでの
「あぁ……おそ松兄さんの、ね」
「…はい」
……そうだ、聞かなきゃ。
兄弟なら、今の奇妙な現状について何か知っているかもしれない。
「あの、家でのおそ松ってどうでした?……出来る限りでいいので、教えてください」
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シバ(プロフ) - 紫乃原―シノハラ―さん» ほぉ!!!ありがとうございます!!!早速見てきます♪ (2018年1月30日 0時) (レス) id: 1c78cabc1b (このIDを非表示/違反報告)
紫乃原―シノハラ―(プロフ) - シバさん» シバさん!お待たせしました!先程公開してきましたので、是非ご覧ください!よろしくお願いします。 (2018年1月29日 21時) (レス) id: 8760750b24 (このIDを非表示/違反報告)
紫乃原―シノハラ―(プロフ) - シバさん» コメントありがとうございます!続編はただいま執筆中で、公開できる状態ではないんです……ごめんなさい(;_;) もうすぐ公開しますのでお楽しみに! (2018年1月29日 21時) (レス) id: 8760750b24 (このIDを非表示/違反報告)
シバ(プロフ) - 紫乃原―シノハラ―さん» この続編、パスワードですよね…どうすれば良いのでしょうか? (2018年1月29日 20時) (レス) id: 1c78cabc1b (このIDを非表示/違反報告)
紫乃原―シノハラ―(プロフ) - 来夢*゚さん» 来夢さん、はじめまして!なんて素敵なお言葉……光栄です。本っ当に嬉しいです。ありがとうございます(T-T) これからも更新頑張りますので是非これからもよろしくお願いします! (2018年1月10日 21時) (レス) id: 8760750b24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫乃原―シノハラ― | 作成日時:2017年1月7日 8時