14話 〜Your side〜 ページ15
ちゅんちゅんちゅん…という小鳥の声で目覚め__
られるはずがないだろう。
出勤一時間前に保険としてかけた目覚まし時計。
けたたましいベルの音で私の眠りは妨害された。
『んぁ………?A…』
むくり。起き上がるもう一つの人影。
寝ぼけた頭でぼんやり考える。…えっと、ん?
ふぁあ…なんて大口かっぴらいてあくびをするおそ松。
あ…おそ松か…
え、
ん?
「え…あ、おっ…おそ松!?」
さぁ、と頭から血の気が引いた。昨日の夜の出来事がぐるぐると頭を回り始める。
帰ってきたら、そこに<死んだはずの>おそ松がいた。
昨日の私は…何故こんな幻を受け入れてたんだろうか…
疲れてたんだ、ちゃんと寝なきゃー…はは…
「ってそうじゃなくてっ!!」
びくぅっとおそ松の肩が跳ねた。…大声を出したから驚かせてしまったか。
「え、いや、だって、あり得ないでしょ……」
『え〜?何が?』
あちらもすっかり目が覚めたようだ。
「だって、アンタ死んじゃったんでしょ?ねぇ、私見てたよ?この目で」
『あ〜、死んだねぇ』
そう言って…なはは〜、と能天気に笑った。
……この緊迫感にそぐわない能天気さに、すこしイラッとする。
「死んだ人間が?幽霊になるってどういうこと?」
『そればっかしは俺もわかんねぇな!!』
ぐしぐしと鼻の下を擦る…誤魔化す気なのか?
「………ね、ねぇ、貴方は…誰な__
ピピピピピピピピ………
うわ!?
アラーム二度目。…時刻は、5;00。…出勤30分前。
「ええええ、あ!?こんな時間だ、仕事いかなきゃっ!!」
ベットから跳ね起きて洗面所に向かう。…朝ごはんは、惜しいが食べられないだろう…
『お、あ、A…?』
おどおどと私に話しかけようとしているおそ松。
しかし構っている暇はないのだ。
「…帰ってきたら話は聞くから」
ぴしゃり、と一言。
信じていないわけではない。でも現実でこんな事が起こるとは思いがたいから。
ってか、フツーにおかしいし。
ばさ、とコートを羽織り玄関に駆ける。
「いってきますっ!!」
怒鳴るように中に叫んだ。
今日は久しぶりに『いってらっしゃい』という声が聞こえて、ちょっぴり頬が緩んだ。
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シバ(プロフ) - 紫乃原―シノハラ―さん» ほぉ!!!ありがとうございます!!!早速見てきます♪ (2018年1月30日 0時) (レス) id: 1c78cabc1b (このIDを非表示/違反報告)
紫乃原―シノハラ―(プロフ) - シバさん» シバさん!お待たせしました!先程公開してきましたので、是非ご覧ください!よろしくお願いします。 (2018年1月29日 21時) (レス) id: 8760750b24 (このIDを非表示/違反報告)
紫乃原―シノハラ―(プロフ) - シバさん» コメントありがとうございます!続編はただいま執筆中で、公開できる状態ではないんです……ごめんなさい(;_;) もうすぐ公開しますのでお楽しみに! (2018年1月29日 21時) (レス) id: 8760750b24 (このIDを非表示/違反報告)
シバ(プロフ) - 紫乃原―シノハラ―さん» この続編、パスワードですよね…どうすれば良いのでしょうか? (2018年1月29日 20時) (レス) id: 1c78cabc1b (このIDを非表示/違反報告)
紫乃原―シノハラ―(プロフ) - 来夢*゚さん» 来夢さん、はじめまして!なんて素敵なお言葉……光栄です。本っ当に嬉しいです。ありがとうございます(T-T) これからも更新頑張りますので是非これからもよろしくお願いします! (2018年1月10日 21時) (レス) id: 8760750b24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫乃原―シノハラ― | 作成日時:2017年1月7日 8時