1話 〜Your side〜 ページ2
ドンっ
私の家の前で、そんな鈍い音が聞こえた。
…何事?どこから?
自室のある二階の窓から下を覗き混んだ。…横断歩道に人だかりができてる。
私の彼氏、おそ松に、ちょっとワガママを言ってお鍋をする事にした。買い出しに行ってもらっている。
…まぁ、帰って来たらキスの一つでもしてあげよ。早く帰って来ないかなぁ〜。
…こんな私のワガママでも聞いてくれるおそ松が、大好きなのだ。
…少し不安になる。家を出てからもう一時間半だ。
一番近いスーパーは30分で着くはずなのに…
あ、あの人だかりにいたりして!
そう思いつきすぐさまコートを羽織る。外に飛び出した。
ざわめく人混みの中、おそ松ー?と呼び掛けるも、返事はない。
「いないのかな…?」
…いきなり、後ろの人にガッ、と押されてしまう。
「きゃ…」
前につんのめって人だかりの先頭に出てしまった。
…立ち入り禁止になっている。
……何でだろう
次の瞬間だった。
目に飛び込んだのは、大きな血だまり。
そして…私がおそ松に先週プレゼントした、マフラー。
どくん、心臓が大きく跳ねる。
白いマフラーは、鮮血に染まりみるみるうちに赤くなっている。
「お、そ松?…じゃないよね。」
必死で言い聞かせる。信じない、信じられない。
違う。おそ松じゃない。違う。違う違う違う違う違う違う。
でも、紛れもない。私が渡したマフラーの色。
そこへ救急隊員が駆けつけ、早口でこう言った。
『遺体の身元が判明しました、松野おそ松です』
遺体………おそ松………?
違う、よね
立ち入り禁止のテープを掻き分けて隊員にすがり付く。
「あの、この遺体誰って言いましたか!?この人死んじゃったんですか!?し、死因は!?」
隊員に叫んだ。
「そんなの教えられませ((「お願いします、教えてください!!」
『…遺体は松野おそ松さん、トラックに撥ねられて即死だったって』
「…え?」
雪が空から降ってきた。
純白の雪は、血の中に落ちては赤く染められていく。
おそ、ま……つ?
血だまりに投げ出された右手。何かを握っている。
無理矢理遺体に近寄る。……顔が見えない。
そして右手に握られた小さな箱を取る。
白い箱は、血飛沫が飛んでいた。…そっと、箱を開く。
箱の中には、光輝く指輪と、『結婚してください』というメッセージカードが入っていた。
57人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シバ(プロフ) - 紫乃原―シノハラ―さん» ほぉ!!!ありがとうございます!!!早速見てきます♪ (2018年1月30日 0時) (レス) id: 1c78cabc1b (このIDを非表示/違反報告)
紫乃原―シノハラ―(プロフ) - シバさん» シバさん!お待たせしました!先程公開してきましたので、是非ご覧ください!よろしくお願いします。 (2018年1月29日 21時) (レス) id: 8760750b24 (このIDを非表示/違反報告)
紫乃原―シノハラ―(プロフ) - シバさん» コメントありがとうございます!続編はただいま執筆中で、公開できる状態ではないんです……ごめんなさい(;_;) もうすぐ公開しますのでお楽しみに! (2018年1月29日 21時) (レス) id: 8760750b24 (このIDを非表示/違反報告)
シバ(プロフ) - 紫乃原―シノハラ―さん» この続編、パスワードですよね…どうすれば良いのでしょうか? (2018年1月29日 20時) (レス) id: 1c78cabc1b (このIDを非表示/違反報告)
紫乃原―シノハラ―(プロフ) - 来夢*゚さん» 来夢さん、はじめまして!なんて素敵なお言葉……光栄です。本っ当に嬉しいです。ありがとうございます(T-T) これからも更新頑張りますので是非これからもよろしくお願いします! (2018年1月10日 21時) (レス) id: 8760750b24 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紫乃原―シノハラ― | 作成日時:2017年1月7日 8時