扁桃腺炎(和)10 ページ45
翔サイド
和「翔にぃー喉痛いの治してぇ。」
白衣の袖をぐいぐい遠慮なく引っ張り続けるもんだからしわくちゃだよ。
いったいどうしたのかと他のスタッフに思われちゃうくらいしわしわ。
早く智兄戻ってきてくれないかなぁ。
「喉痛いのね、治してあげるよ。今ね智兄がお薬もらいに行ってるからもうちょっと待ってようね。」
頭よしよししてあげると嬉しそうな笑顔見せる。
でも熱のせいで目も潤んでほっぺたも赤い。肌もカサカサしてる。
ちょっと輸液のスピード上げようかな。
「頑張ってお口から水分取れそう？」
和「できなーーーい。」
そんなはっきりと断らないでも...
「喉痛くてごっくんできない？ストローでちゅーって吸うのも難しそう？」
和「できなぁーい。」
埒があかないな。
「そっかそっか。それだけ喉痛いんだもんな。
じゃ智兄がお薬もってきてくれたら、点滴に追加するからここで寝んねして翔にぃがお仕事終わるまで待ってられる？」
和「やぁーよ。行ったらやだー。」
「智兄にしばらくいてくれるように頼んであげるよ。それなら一人ぼっちにならないよ。」
少し考えてるみたいな表情をしている。
智「おまたせー。あーあーさっきよりももっとしわくちゃだね。
もう白衣脱いでスクラブだけにしたら？」
智兄にそういわれて改めて見てみると...
ほんとだね、脱いだほうが良さそうだわ。
智「両方とも点滴に混ぜちゃっていいの？抗生剤は側管からいれる？」
「そうだね、とりあえず抗生剤は側管からいれようか。早く効果発揮したほうが良いからね。追加するときは点滴に混ぜちゃうけど最初は菌しっかり叩いたほうが良いからいれちゃって。デキサートはミックスしちゃって。」
智「和、これで少しは楽になると思うからもうちょっと頑張ってよ。」
器用な手つきでシリンジやらアンプルを扱ってる智兄の手元に和の視線が奪われてる。
初めて見たおもちゃを熱心に見てる子犬みたいで可愛い。
「早くお薬効くといいね和。あ、そうそう、智兄さ、しばらくここで和に付き添ってあげれる？眠るまでの間、多分一時間もあれば寝てくれると思うんだけど。」
少し小さめの声で智兄の耳元で話したのに和にもばっちり聞かれたみたい。
和「眠たくないもん。翔にぃもここにいるのぉー。」
智「よいしょっと、これでとりあえず薬剤の追加はオッケー。もし気分悪くなったらすぐに教えてよ。和、翔ね救急のドクターだから忙しいんだよ。」
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作者名：ルパン
| 作成日時：2016年8月28日 21時
