ストレス(潤)2 ページ26
潤サイド
とりあえず一番奥の個室に入り鍵を閉める。
気がついたら手が震えている。
はぁはぁはぁ。
走っただけが理由ではなさそうな速い呼吸。
床にしゃがみこんでしまった。
頭を膝にくっつけて目を閉じてみる。こうすればしばらくすればきっと落ち着くはず。
気がついたら何度も何度も唾を飲み込んでる。
胸の辺りが気持ち悪いんだけど実際に吐くまでにはいかなくて。
Aのこと、
大きい筋腫2個映し出されてたMRI画像、
仁王立ちの翔兄、
2ヶ月以上も前のことなんだけど頭から離れない。
Aの手術が無事に終わって筋腫綺麗に切除できました、って聞くまできっと俺はこのストレスから解放されないんだと思う。
ふぅーーふぅーーとゆっくり何度か息を吐き出し気持ちを落ち着ける。
もう大丈夫かなと思ってゆっくりそっと立ち上がってみる。
もう一度深呼吸してっと。
何か食べたら元気でるかな、あんまり食欲もないってのが本当のところだけど食べないと悪循環だし...
数日ろくなもの食べてないし。
兄貴たちに余計な心配かけたくないし、弱い人間だと思われたくない。
ゆっくり歩きながら食堂に向かう。
さっと見渡すけど兄貴たちの姿は見えない。
少しでも胃に優しいもの消化に良いものと思い、うどんを頼む。
野菜は食べておいたほうが良いと思いほうれん草のゴマ和え。
糖分も必要だと思いヨーグルトも手に取った。
「いただきまぁす。」
誰もいないけどつい癖で言ってしまうんだよね。
うどん一口すすってごくんと飲み込むと...
ううううぅぅぅ...
鉛の塊りがつっかえてるかと思うほどの違和感が...
ゲホゲホと数回咳をしてみる。お茶で流し込んでみるもののつっかえた感じはおさまらない。
ヨーグルトなら食べれるかと思い蓋をめくる。
スプーンで一口、うどんよりはましかな。
ヨーグルトは完食できたと思い時計を見るともう15分も経っていた。
うどんはすっかり冷めてしまい食べる気が起こらない...
ほうれん草も二口食べただけ。
ご飯も食べれないなんて情けないなぁ...
じゅーーーん！
俺を呼ぶ大きな声で顔をあげると雅兄だった。
ほんといつでも元気一杯なんだからこの人は。
雅「あれ？ご飯食べてないじゃん。食欲ないの？」
「あ、いや、ヨーグルト食ったし。」
雅「ヨーグルトはご飯じゃないでしょー。翔兄心配してたよ。最近潤が元気ないって。自分がきつく言いすぎたかなって困った顔してたよ。」
そうなの？翔兄が俺のこと心配してくれてたの？
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作者名：ルパン
| 作成日時：2016年2月23日 20時
