兄達はスーパードクターズ2 (ページ21)

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健康診断5 ページ21

和サイド

やっと帰宅できたー。
今日も長かった一日。
駅で智兄と一緒になり今2人で歩いて家に帰ってきたところ。

しばらくしてAが帰ってきた。

A「ただいまー。」

なんかちょっと声のトーン低いな。

智「健康診断どうだった？何か紙もらったりしなかった？」

あ、今日A健康診断だったんだ。
あの声のトーンは何かあったな。

リビングに入ってきたAは無言で智兄に一枚の紙を渡した。
それを見た智兄の顔がちょっと曇った。

「どれどれ？Aの体は元気でしたかー？」

と言いながら、智兄が持っている用紙を覗き込むと、
え？本当に？っていう文字が並んでいた。

智「A、ちょっとそこのソファに座って。
和、聴診器持ってきてくれる？」

そう言われ俺は部屋に聴診器を取りに行った。

素直にソファに座ったAはちょっと不安そうに見えた。

リビングに戻ってくるとソファに座っているAの横に腰掛て
脈をはかっている智兄の姿が目に入った。

「まだ頻脈？リズム乱れたりしてる？」

智「検診の時の110ってほど速くないけど、ちょっと速いかな。
まあ検診のときに緊張して速くなる人は多いけどね。
Aって速いほうだったっけ？普段から。」

と俺に聞いてくるので

「いやー今までそんなに気にはならなかったけど、
まあよく速くなることはあるよね。貧血だったり、乗り物酔いしたりすると
わりとすぐにドキドキするほうではあると思うけど。
でもリズムが乱れたことはなかったと思うな」

智兄が手を出してくるので、持っていた聴診器を渡した。

智「今日何度も胸の音聴かれたと思うけど、僕にもちょっと聴かせてね。
緊張しないで普通に呼吸しておこうねー。」

そういって、聴診を始めた。

俺はAの横に座って
不安を和らげるために肩を抱いてやった。

しばらくして聴診器を耳から外し

「速いけど今聴いた感じだと不整脈はないかな。
雑音もないから、まあ無害性だとは思うけど、
心電図とエコーは近いうちにやっておこうね。」

和「A、健康な若い女性の脈の乱れって
問題ないことが多いから、大丈夫。念のための検査だからね。」

不安そうな顔をしてるAに優しく言った。

智「そういえば今朝、翔がなんか気にしてたよね、A？
あの時、なんかあったんじゃないの？」

どうやら朝食時、無意識にAが胸の辺りに手を当てていたらしい。
翔兄が診ようとすると変態呼ばわりをして拒絶をしたと。
あー哀れな翔兄。