少年少女宝島冒険記〜孤島に眠る宝島を求めて〜 二章【のび太の宝島】

過去編 ページ22

徳宮「はい、みんなおいで〜！」

徳宮さんの掛け声で、子供が一斉にこっちへ来た。

私より小さい子や、私よりも遥かに年上のお兄さんやお姉さんと、年齢は様々だった。

徳宮「みんなにも説明した通り、今日から新しい子がこの施設に入ります！人と関わることがあまり得意じゃないから、びっくりさせないで優しくしてあげてね」

徳宮さんは私の説明を終えると、コソッと私に

「自己紹介できる？」

と聞いてきた。

私はこくりと頷いて、緊張で微かに震える口を開いた。

『えっと……あ、あの…も、森ノ宮瑠璃…です……小学校四年生…よろしく…お願いします…』

自分なりにちゃんと言ったと思う。周りの反応が怖くて、今にも泣きそうになっていると、

「わぁぁっ！！」

「よろしくね！」

「可愛い！！お友達になりたい！」

拍手とともにたくさんの歓声が出た。

『あ…』

徳宮「みんな歓迎してくれてるわ。あなたも家族の一員よ！瑠璃」

徳宮さんが、私に優しく微笑んだ。

『ありがとう…ございます…っ…』

私はとうとう堪えきれない涙を流した。優しく歓迎してくれていることが嬉しくて、家族と言われたことが嬉しくて。

私も、幸せになっていいんだと思えた。




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