19 ヒーロー ページ20
「……『Clarté』……Aさんって、夢ノ咲学院のアイドルだったんだ……」
私は涙は止まったものの、目を真っ赤にして知らなかった事実を口にする。
「結局あんずは『Clarté』を知ってたのか」
「だが、夢ノ咲学院ということは知らなかったってことか?」
2人の言葉にこくんと頷く。
Aさんが夢ノ咲のアイドルなんてわかんなかった。きっと、ライブの最後らへんで言ってたのだろうけど、私は放心していて聞こえなかったんだと思う。
ずっと、今の今まで、どこか私の脳を支配していたのは、Aさんの輝かしい笑顔、綺麗な歌声、舞うように踊る姿……だったんだ。
私を、闇の中から救い出してくれた、ヒーロー……!
そんなAさんにも、辛い時期があった……ううん、今、現在進行形で傷ついてる。
もう、もしかしたら取り返しがつかなほどの深い傷を負ってしまっているかもしれない。
スバル君と月永先輩は、いつも笑っていた。そんな辛いことが無かったかのように。
でも、私知ってるんだ。
時折、スバル君の瞳から、いつもの輝きが消えるの。
春頃はほんとにたまにだった。でも、夏、秋……と季節を重ねるごとに、輝きが消える頻度が増えていった。
……冬……私があの路上ライブを見たのも冬だった……
あの日……12月25日……
【ShiningDDD】が行われる期間は、12月18日から、25日……。
「あ……」
私の頭の中で、バラバラなピースが少しづつ合わさっていく。
『……最後かな……』
ふと聞こえた、あなたの別人の様に冷えきった声。
去年、『Clarté』は【ShiningDDD】に出たの……?
「北斗君」
「ん?」
「去年の【ShiningDDD】に、『Clarté』は出てたの?」
私は、頭を抱えながら聞いた。
「……『Clarté』は、最終日に、どこかでライブをしたという噂がある。俺は実際に見ていないから、わからないがな。だから、出てないに等しい」
まるで、重りを頭にゴツーンと打ち付けられたような衝撃が、全身に走った。
私が見たあのライブは、Aさん達の、最後の、ライブ……?
支配者じゃ無くなった、『Clarté』のライブ……。
なんだか、切ない感じの曲が多いなぁと思ってたけど、
そういう、ことだったの……?
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あずまこぐれ - 2年ほど前から愛読させて頂いている者です。この小説は、他の小説とは違う、心に響くものがあるんです。これからの更新は難しいものなのでしょうが、やっぱり見に来てしまいます。届いているかは分かりませんが、これからも度々見に来るので、更新、待ってます。 (2019年5月7日 18時) (レス) id: af7df8004e (このIDを非表示/違反報告)
遊園地依存症 - めっちゃおもしろかったです!レオぴとスバル君の二人すごい好きだったんですごい嬉しいです! (2018年1月29日 0時) (レス) id: f385502180 (このIDを非表示/違反報告)
辻本ロサンゼルス(プロフ) - プリンさん» スバル「ありがとうっ!そう言ってもらえて嬉しいよ〜!これからも応援よろしくね☆」レオ「わははっ!答えを聞く前に妄想してみろ!…な〜んてな!ユニット名は『Clarte』って書いて『クラルテ』って読むぞ☆」 (2017年12月19日 18時) (レス) id: 569f586e7a (このIDを非表示/違反報告)
プリン - とっても面白いです!こんな素晴らしい物語を作るなんて凄いです!尊敬します!!!あの、今更なんですがスバルとレオと夢主がいたユニットはなんて読むんですか?バカですみません!!! (2017年12月18日 22時) (レス) id: e5258e5310 (このIDを非表示/違反報告)
辻本ロサンゼルス(プロフ) - ルルさん» スバル「泣かないで〜!俺は笑顔が好きだからさっ!」レオ「わはは!ロス(作者)、このコメントみて喜んでたぞ〜!これからも応援よろしくな!」 (2017年11月18日 14時) (レス) id: 569f586e7a (このIDを非表示/違反報告)
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