【銀魂】魔王(♀︎)拾いました (ページ2)

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攻撃を与えたらすぐさま回復される。
回復魔法のエルフの女を狙っても盾役の男に防がれる。
魔力切れを待ったが、どこからか聖水を取り出して魔力を全回復される。

その間にも勇者と魔法使いの女の攻撃は止まらず、
勇者共の体力は減らないのに私ばかり攻撃を食らう始末。
敵ながら素晴らしい戦術と連携であるが、ちょっとセコいしずるいぞ！

封印されし伝説の剣なんて使って！
私の武器なんて森のおばあちゃん魔女のおさがりだぞ！

完敗であった。魔王だというのに情けない限りである。
でもやっぱりずるい。
魔王マニュアルには〝勇者は1人だから緊張せずリラックスして挑め〟って書いてあったのに

これでは死んでいった部下達に顔向けできない…だがこのままでは…

その時、
いつだったか、右腕である吸血鬼が私に紙切れを渡してくれたのを思い出した。

｢俺は中ボスだから最期まであんたの傍にいることは出来ない。勇者と対峙して、もしもの時はこれを使え。あんたはいつも魔王としての責務がどうとか言っているが、俺はそんなの関係無しにあんたに幸せになって欲しいんだよ｣

〝ちゅうぼす〟の意味は分からないが、〝もしもの時〟とは今ではないか？
頭の良かった彼のことだ。きっとこの現状を打開する術を私に託したのだろう。
どこかで見た事のある魔法陣だが、気にしている時間はない。

勇者一行を倒した後、いち早く部下たちの元へ向かい皆を回復しなければならないのだ。

以前使い方は彼から教わっている。魔法陣の書かれた紙の中央に血を一滴垂らした。
頼む、ここで負けたら魔族の未来は無くなってしまう…！
縋る想いで紙を握り締めた。

すると紙に書かれたものと同じ魔法陣が私の足元に広がった。
魔法陣は白く光り輝き私を包み込む。

｢！みんな、何か来る！下がれ！｣

あまりの眩しさに目を閉じた時、
思い浮かんだのは吸血鬼の彼が悲しげに笑う顔だった。