少年と赤薔薇の庭園 ページ4
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母、父、妹、そして俺。
火事の前、俺たちは至って平凡な家族だった。
料理は上手だけどおっちょこちょいなところがある母に、帰ってきてはテレビを占領する父。言ったことは何がなんでも曲げなくて、変なところで度胸がある妹。
母や妹がすこぶる美人なわけでもないし(贔屓目に見ると綺麗な方だと思う)、父は社長や有名人でもない。
けれど全てを失った今、それがどれだけかけがえのないものだったか、わかるのだ。
はっきり言ってリドルくんの親は「毒親」と呼ばれる部類だろう。
それを肯けるものとして、リドルくんは親の話をする時、言葉としては誇らしげに語るが、その表情に明るさは一切ない。
「そんなにたくさんルールがあるの?」
リドルくんは頷く。
「辛くないの?」
リドルくんは少し黙ってから、淡々と言った、
「ううん、僕が悪いんです…。お母様は僕のことを思って、…僕が出来ないから……」
その時、柱時計がボーンボーンと鳴って、時刻を知らせた。
リドルくんが青ざめた表情になる。
間もなくドアベルが開く音がして、こちらに誰かが歩いてくる足音がした。
ドアが開く。
入ってきた人物はリドルくんによく似た赤髪の美しい女性だった。
ただ、その目は厳しい目をしている。
「リドル、こちらはどなた?」
「あ、お母様に診てもらおうと思って…! 診療所の庭園で倒れていたんです、だからここに連れてきて休ませて……」
女性の目が鋭くなる。
女性は当たりを見回したあと、ソファの近くに置かれた解きかけの問題集に目を留めた。
「リドル」
低い声がリドルくんを呼んだ。
。
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ババロア - とてもこの作品📒🔖が好き😻🫶💕です❣️無理せず更新🆕頑張ってください‼️ (1月2日 11時) (レス) @page19 id: 8d5fad07b1 (このIDを非表示/違反報告)
とまとじゅうす - アーーーーーーーー!!!!!!!!!!!好きーーーーーーーーーーーー!!!!(唐突な告白)続きが気になりすぎて夜しか眠れません!!更新楽しみにしてます!! (2023年4月16日 12時) (レス) @page19 id: a1abbce39e (このIDを非表示/違反報告)
乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します!こういうの初めて見ましたけどめっちゃ好きです!夢主の愛されいいですよね!私愛され大好物なので嬉しいです!無理せずに頑張ってくださいね! (2023年3月19日 6時) (レス) @page19 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
もぶ(プロフ) - この作品大好きです!何回も読ませて頂いています。更新待ってます! (2022年8月6日 17時) (レス) @page19 id: 38a56b994f (このIDを非表示/違反報告)
洸 - 上手く言えないですけど、今までにない素晴らしい作品だと思います。続きが気になって仕方ありません…。必ず読みますので、更新していただけないでしょうか。 (2022年4月28日 20時) (レス) @page19 id: 7c958e334b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きさらぎはるか | 作成日時:2020年10月2日 19時