少女の記憶、少女の運命番外編 2章【FAIRYTAIL】 (ページ36)

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耳を塞ぎたくなるような音が幾度となく響き渡り、ナツとハッピーに襲いかかる。
反撃の隙も与えないとでも言わんばかりに、音は止まない。

ル「ナツ！」

ナ「大丈夫だ、大した事ねぇよ。天球儀はまだか！」

ハ「急いで！こっちは気にしないで！」

……分かってる、早く天球儀を壊さないと。
天球儀を壊せば、一連の騒動はひと段落するはず。
だけど…あの天球儀、硬すぎる。
そして何より…迂闊に近づけない。

ﾕｷ「このままでは埒が明きません！」

ル「でも、方法が……あれを壊す方法が！」

天球儀は相変わらず赤い光を発している。
その光は次第に強くなり…辺り一体を、不気味な赤に染め上げていた。

もう、時間がない。
天球儀を前に、そう強く感じた。

ｳｪ「っ、ダメです！光の影響で治癒魔法が…！」

ﾋｽ「アルカディオス様……」

ダ「あの光、魔法を弱める効果でもあるのかな…」

『詳しい事はわからないけど、天球儀を壊さないとどうにもならないって事ね』

その時、天球儀が放っていた不気味な赤い光がその規模を増す。
地面は抉れ、瓦礫が舞う。

ダ「ユリカ！」

『っ、』

ダイアに掴まれ、その光から何とか逃れる。
しかし…ルーシィにユキノ、ヒスイ姫はその光に飲み込まれてしまった。

何とか助け出そうとも、光に阻まれ近づけない。

『何か、方法が……』

その時、赤い光の中から緑の光が立ち上る。
その根源を探せば、そこには光に飲み込まれた3人がいた。

そして、緑の光は天球儀へと届き……
やがて空に大きな星の渦を作り出した。
赤く光る空に星の渦、不気味だけどどこか綺麗なそれに……思わず息を呑んだ。

ダ「あれ！」

じっと、天球儀を見つめる。
すると天球儀にヒビが入り……天球儀は、赤い光と共に消滅した。

ふと見ればオフィウクスも地面に倒れており……光の粒となって消えていく。
空は見慣れた青を取り戻し、赤い星座も消え去った。

ﾕｷ「星座が…消えました」

ナ「これでロキたちも元に戻るんだよな」

ｼｬ「そう簡単にはいかない気がするけど」

ル「……まだロキたちの鍵に何の反応もない」

その時、地面がぐらりと大きく揺れる。
辺りの岩が崩れ、このアストラル・スピリタスが…今にも崩壊しようとしていた。