少女の記憶、少女の運命番外編 2章【FAIRYTAIL】 (ページ32)

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ﾕｷ「星霊王が暴走しているなんて……」

ハ「それってさぁ、ただ理性も何もぶっ飛んで暴走してる…迷惑野郎ってことだよね」

『まぁ…簡単に言えばね』

ル「私たちは星霊たちを守ろうとして…結局追い込んでいたの？」

私たちは…星霊たちを元に戻す術があると信じて、たった十二日間の自由を得ようとする星霊たちを止めようとした。
そして…そのために、星霊たちを強制閉門した。

だけど……それが彼らを傷つけることになろうとは。
誰もが想像すらしていなかったこと。

私たちの行いがいかに愚かだったのか、それをまざまざと突きつけられた。

ﾋｽ「残念ですが、脱出しようとしていた星霊たちを星霊王が暴れる星霊界に送り返してしまっていたんですね」

ｳｪ「そんな……」

ナ「何て話だよ…」

ﾋｽ「それだけではありません。
日蝕星霊と化した星霊王が力を蓄え、暴走を続ける限り……星霊界は崩壊し、消滅してしまうでしょう」

ナ「消滅!!?」

ヒスイ姫の言葉に目を見開く。

……今、この時も星霊王が星霊界で暴走しているのだとしたらありえない話ではないのかもしれない。
あの時見た美しい星霊界の姿は、もうないのだろう。

ｵﾌｨ「左様、姫の言葉は起こりうる未来」

ハ「星霊界が消滅したら、へびつかい座のおまえも消えちゃうぞ！」

ｵﾌｨ「星霊王がそれを望むなら、喜んでこの身を消し去ろう！全ては偉大なる星霊王の御心のままに！」

空に浮かぶ天球儀が赤い光を強める。
赤く光る星座と共に…夜空を覆い尽くさんばかりの勢いで赤い光は広がっていった。

ル「自分が滅びてもいいって言うの!!?」

ハ「なんて奴…」

『星霊界を滅ぼすかもしれない相手に身を捧げるなんて……』

その時、何か…咆哮のようなものが聞こえる。
どこから聞こえてきたのか…この場に反響するその声に思わず顔を顰めた。

ハ「この声は……」

ｼｬ「まるで、獣だわ…」

ダ「まさかこれが……」

ｵﾌｨ「くくく、アハハハハッ!!!」

オフィウクスの笑い声がこだまする。

私たちを見下さんばかりの視線に屈しないよう、私たちは拳を握りしめ前を向き続けた。

ナ「ふざけんな！こんなもん…誰のためにもならねぇ！
てめぇも星霊王も……ぶっ倒してやる！」