少女の記憶、少女の運命番外編 2章【FAIRYTAIL】 (ページ27)

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ナ「ありがとな！」

ｱﾙ「お前ともあろう者がどうした」

ナ「食い合わせが悪くてな」

ﾋｽ「ナツさん！」

ｱﾙ「姫、此奴がオフィウクス。
へびつかい座の星霊です」

見上げればオフィウクスは相変わらず虫ケラでも見るような瞳で私たちを見下ろしている。

青紫の瞳はすっと細められ、引き上げられた口元から八重歯が覗く。
まるで、物語のラスボスと対峙しているみたい。

ｵﾌｨ「ヒスイ姫か、誰が来ようとリベラムは止められんぞ。Omnia…Magna…Stella…Rex Prae……
いかに人間が足掻こうとも、我等の望みは成就する！」

ﾋｽ「今の言葉、Omnia…Magna…Stella…Rex Prae…
"全ては王の御為に"」

ｵﾌｨ「ほう？意味を理解するか」

ﾋｽ「ここに謳われる王とは、星霊王の事ではありませんか？」

その言葉に、ハッと目を見開く。

やっぱりそうか、全てが繋がったような気がした。
それならば…オフィウクスは黄道十二門の星霊の為に動いていたのではなく、星霊王の為に動いていたということ。

ﾋｽ「全ては星霊王の御為に。
この一連の事件は星霊たちの純粋な願いからではなく、星霊王が仕掛けた事ではないですか？」

全ての黒幕は、星霊王だということ。

空に浮かぶ星座が赤く光る。
天球儀からは相も変わらず赤い光が放たれ、リベラムの儀式が続いている事を告げていた。

ｵﾌｨ「姫よ、見事」

ナ「それが本当ならやる事は一つ！
星霊王をぶっ飛ばせば全部終わりだ」

ｵﾌｨ「クハハ、お前たちに出来るか？人間」

蛇が体位を変え、オフィウクスの身体が更に遠くなる。
この場に巻きつく蛇が姿勢を変えた事で、私たちの立つ地面が少しばかりぐらりと揺れた。

ｵﾌｨ「星霊王はこの私がお守りする！
我が名はへびつかい座のオフィウクス！
星霊王の影に潜みし十三番目の星霊、如何に強制閉門されようともどれほどの事か！」

ハ「うわぁ、言っちゃってるよ」

天球儀から発せられる光が強まる。

その時、上空に魔水晶のようなものが現れる。
それはどこか見覚えのある景色をその中に映し出していた。