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魔法は何度もぶつかり合い、爆発を引き起こす。
傍では相も変わらず天球儀が眩いほどの光を放っている。
『っ……天球儀を壊したい、けど』
ダ「レオが邪魔で近づけないね」
リベラムを止めたいのなら、星霊を星霊界に強制的に返すか、天球儀を壊すかの二択。
生憎、私は強制閉門の鍵を持っていないから……私にできるのは天球儀を壊すことのみ。
でもそれにはまずレオを倒さなくちゃいけないし……
『
レオ「ふん」
放った白鳥はレオの黒光により焼き消される。
私はダイアに地上に下ろすよう頼み、レオの背後へと着地した。
そして振り上げた足は、同じく蹴りによって受け止められる。
レオ「貴様、人間の女にしてはなかなかやるな」
『お褒めに預かりどうも。
"人間の女"、っていう言い方はちょっと気に食わないけどね』
ぐるりと体を回し、また反対側の足で蹴りを仕掛ける。今度は顔に当たる直前で腕で受け止められた。
その時、ダイアが剣を持って天球儀に斬りかかる。
そちらに気を取られたレオの顔に私は一撃を食らわせたが、ダイアの方は金属同士のぶつかり合う甲高い音と共に天球儀の光に弾かれてしまった。
ダ「っ……あの天球儀、硬すぎ」
『まぁ、そりゃ簡単に壊れるようには出来てないわよね……わかってはいたけど』
口元に滲んだ血を拭いながらレオが立ち上がる。
……私を睨みつけるその目は、私が知るロキと同一人物だとはとても思えなかった。
匂いも、声も、同じだというのに……。
レオ「まさか二人で仕掛けてくるとは……。
卑怯なところがいかにも人間らしいな」
『……卑怯だなんだなんて、言ってられないから。
こっちだって必死なの。大切な仲間を守るためなら……私たちは手段を選ばないわ』
レオ「まあいい、どちらにせよ準備は整った」
『なっ……』
次の瞬間、レオが私たちへ向け黒光を放つ。
今までの比じゃない威力のそれに、私は思わず魔法で相殺を試みたけれど………
『っ、消えた……』
魔法が爆発を起こすうちに、レオも天球儀もこの場から姿を消してしまった。
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マリイ - ユウカ・スズキの小説も書いて欲しいです ユウカ好きなのでラミアスケイルの (2022年7月28日 21時) (レス) id: 70be676ed1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セレーナ・ラフィーネ | 作成日時:2021年8月11日 19時