少女の記憶、少女の運命番外編 2章【FAIRYTAIL】 (ページ16)

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『……暑い』

ｼﾞｭ「誰も…いませんね」

ダ「砂漠しかないね〜…」

太陽が真上にある。
照りつける陽の光に、肌が焼けてしまいそう。
見渡す限りは砂漠……そして、何もない。

ｼﾞｭ「アリエスさん！出てきなさい！」

『アリエス!!!』

アリエスを探して叫ぶけど、声が響くだけでどこからも返答はない。

暑い……とにかく暑い。
汗が吹き出すように出てくる。
下ろした髪がべっとりと張り付いて気持ち悪い。

ダ「……何で砂漠なんだろ」

ｼﾞｭ「アリエスさんの趣味でしょうか……」

『辺り一面が砂漠の世界って……
どんな趣味があったらこうなるのかしら』

歩こうにも砂に足を取られる。
照りつける太陽も熱いけど、照り返しも熱いし砂そのものも熱い。

……このままじゃ、アリエスを見つける前に干からびそう。

『……雪造形(スノーメイク)、白銀の空』

私の上空に魔法陣が展開され、雪が降り出す。
範囲は限られているけど、自分の周りに雪が降っているだけでも幾分か涼しく感じる。

ひんやりと、肌に触れる雪が熱った体を冷ましてくれる。

ｼﾞｭ「冷たい……」

ダ「さすがユリカ！」

『これだけ暑くちゃ身動きも取れないからね』

ｼﾞｭ「これだけ太陽が照っていると、雨女のジュビアも流石にお手上げです……」

『あはは……どれだけ雨女でもこの日差しの中雨を降らせられる人はいないだろうね』

雪が降っているとはいえ、太陽が隠れたわけではない。変わらずに照り続けている。

これは……雪の造形魔法が使えて、なおかつ雪を降らせる魔法が使えて良かったと心から思った。
いっそのこと、フォルアみたいに天気を変える魔法が欲しいとも思ったけど。

『さ、早いとこアリエスを探してこんな砂漠地帯とはおさらばしましょ！』

ダ「そうだね、暑くてかなわないし」

ｼﾞｭ「はい、急ぎましょう」

燦々と輝く太陽の下。
果てなく広がる砂漠地帯を、雪を従えながら私たちは歩き出した。