星と幻想【FAIRYTAIL】 (ページ10)

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テリアが勧めてくれたリンゴは、確かに甘くて美味しかった。
このリンゴもステラ王国のものかしら……

『あっ！』

「あ？どうした」

不味かったか？なんて聞かれるけどそうじゃない。
私はこんな呑気にリンゴを食べる、なんて事をしている場合じゃないのだ。

ステラ王国に来たのは竜の涙を取り返すため。

『私、仲間と合流しないと。
リンゴ、美味しかったわ。ありがとう』

それじゃあ、と走り出そうとしたところでテリアが私の腕をパシッと掴む。

驚いてテリアの方を向くも……彼はどこか遠くを見つめ、リンゴを齧っていた。

『あの…テリア？』

「…焦るな、お前の仲間は無事だ」

『え…？』

何故、そんなことがわかるのかと疑問に思う。
そもそも私とテリアは初対面のはず。
なのに何で私の仲間のことを知っているの？

「オレの魔法でな、わかるんだよ。
だからお前は動かずここにいろ」

『そうは言っても……』

すると、テリアが私の腕を勢いよく引く。
突然のことにバランスを崩し……私はテリアの隣に座り込んだ。

「聞き分けのねぇ女だな、お前。
オレが大丈夫って言ったら大丈夫なんだよ。

心配しなくてもお前の仲間は……ほら」

「ユリカー!!!」

聞き覚えのある声が聞こえて、ハッと顔をそちらに向ける。すると、森の向こうからグレイが走ってくるのが見えた。

『グレイ!!』

「よかったな。
ま、頑張れよ…イシュガルの魔導士」

『！』

「ユリカ！無事だったか!!」

『うん、この人が助けて……あれ？』

後ろを向いてもテリアはいない。
……もう一度、お礼が言いたかったのに。

「…ユリカ？」

『ううん、何でもないわ。
それより早くみんなと合流しなくちゃ』

でも、私…テリアにイシュガルの魔導士だってこと、言ったかしら？