story6 ページ7
あの後、塔にいた兵を蹴散らした私とダイアはみんなと合流した。
今は王都から離れた森の中で身を潜めている。
「杖は手に入った。
問題はフィオーレまでの帰り道だな」
「奴等に気づかれちまったからなぁ、ナツのせいで」
「オレのせいじゃねーだろ。
あれは罠があってだなぁ……」
『こんな時まで喧嘩しないでくれる?面倒くさい』
思わずため息をつく。
気づかれてしまったのは誰のせいでもない。
あんな魔法陣が仕掛けられてるなんて……敵も用意周到だということを認識していなかったのが落ち度。
「それにしてもこんな杖がすごい魔力を秘めてるなんてね」
「見せて見せて〜。
全然魔力を感じないんだよね」
「遊ばないの」
ハッピーはぶんぶん、と杖を振り回しているけど……
一応フィオーレの王様から依頼を受けた"危険物"なのよね、それ。
全く、危機感がないのかなんなのか。
「あれ?でもナツは魔力を感じた…って」
「ん?あぁ……、あー!ダメだ!わっかんねー!」
ナツは頭を抱えて倒れ込む。
ナツが考え事なんて、明日は雨かしら…なんて笑いつつも、私の頭からはナツの泣いていた顔が頭から離れなかった。
……ナツが涙を流したのは杖を手にした瞬間。
杖の名前は"
何かを、魔力を、感じたってことかしら。
「いずれにしても、国をも滅ぼす杖とは物騒な話だ。
取り扱いには注意せねば……」
「!」
「ハッピー、魚の絵なんて描いてる場合じゃないよ」
「うわぁん、ダイア〜ごめんなさぁい……」
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作者名:セレーナ・ラフィーネ | 作成日時:2021年7月30日 20時