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「あの、ルーシィさん」
「どうしたの?」

星霊と契約を交わして彼らが星霊界へと戻った時、恐る恐るといった様子でテント内へ入って来たウェンディに小首を傾げる。

「ちょっと聞きたいことがあるんですけど…良いですか?」
「うん、勿論!」
「Aさんのことなんですけど……苗字とか使う魔法って知ってますか?」

思わぬ問い掛けにきょとんとしてしまう。質問の真意が読めず、ウェンディの顔を見詰めてしまうけど…彼女の表情は真剣そのもの。

「あ、苗字は知らないかも…それに魔法は見たことある範囲だけど…星霊魔法、それに火の造形魔法、治癒魔法、後は水や風も操ってたかなあ」
「風…!」
「どうして、彼女のことを?」
「…あ、えっと…実は私、姉がいたんです」

目を輝かせた少女に益々首を傾げれば、少し迷ったように視線をさ迷わせつつも、意を決したようにそう続けた。

「もう6年以上前のことです。森で遊んでたら、変な人たちが現れて…お姉ちゃんは私を守る為に戦ってくれました。けど…分が悪くて、助けを呼んで来て欲しいって私を何とか逃がしてくれたんです」
「!」
「助けを呼んで森に戻った時にはお姉ちゃんの姿も、変な人たちの姿もありませんでした。マスターは直ぐに評議院に掛け合ってくれたんですけど…見つからず。彼らが言うには魔力を持った子供を狙う人攫いの仕業だって」

過去形である彼女の言葉に眉を潜めれば、俯きながらもぽつりぽつりと話してくれる。小さな子が家族を奪われたのかと思うと遣る瀬無い気持ちになった。

「………あれ、じゃあ、Aさんがそのお姉さんかもってこと!?」
「えっ、あ、分からないんです……!あっでも、名前は一緒だったし、治癒魔法も使うって聞いて…もしかしたらと思って……!」

その話とAさんの話題がどう繋がるのか。答えはひとつしかなくて、思うままに口にすれば、慌てたように手と首を横に振るウェンディ。

他に手掛かりは無いのか問えば…髪の色は一緒であること。お姉さんもウェンディと同じ天空の滅竜魔導士であるという事。( うーん…今の所、あのAさんとは合わない様な… )

「あ、それで風の魔法に?」
「はい。ニルヴァーナから脱出する時に降って来た石から守ってくれた時に使ってくれたんですけど…その時、お姉ちゃんのを思い出して。でも、においが違うし…って、ちょっと混乱しちゃって」

あたしも最近会ったばかりで力になれなくてごめんね。そう言えば恐縮したように首を振るウェンディ。そして、今何処に居るんだろうと小さく呟かれた言葉に胸が傷んだ。




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ゆきっき(プロフ) - いつかヴェンディが真実を知る日をずっと楽しみに待ってます! (2022年8月4日 0時) (レス) @page46 id: e77387d96a (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - 続き待ってます (2021年6月11日 16時) (レス) id: 8490818b21 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しく思います。また近々続きの更新して下さると嬉しく思います。更新を楽しみに待ってます。 (2021年3月31日 6時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新して下さると嬉しいです。更新を楽しみに待ってます。 (2021年1月21日 21時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。返信待ってます。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紗葉 | 作成日時:2019年11月30日 19時

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