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「騒がしてすまない。責任は私がとる。ジェラールを…つれて…いけ…」
「エルザ!!!」

死屍累々といった具合に評議員が倒れ、遂には拘束魔法を行使しようとしたラハール。然し、それを大きな声で止めたのは、一番引き止めたい筈のエルザで。徐々に声が震えているのが分かって、彼女から目を逸らした。

「そうだ…」
「!」
おまえ(・・・)の髪の色だった」
「さよなら、エルザ」
「ああ」

きっとそれだけでお互い分かるのだろう。穏やかな笑みを見せたジェラール、エルザの返事を最後に護送車の扉が音を立てて閉じた。









「 ── 待って」

個々が茫然とする中でエルザは何処かへ、かく言う私も黙って評議員を見送る訳にも行かず…森を経由して後を追う。そして連合軍から少し離れた所で、少しスピードを上げて評議員の前へと降り立った。

「! 貴方は」
「逃亡の手引きも、攻撃もするつもりは無い。…その人に聞きたい事が有る」

当たり前だけれど…警戒の色を見せた評議員たちに、敵意は無いと両手を上げる。それは伝わったのか、部下たちを制してラハールが一歩前へと躍り出た。

「Aさん、ですね。貴方の事は諜報部の者から聞いています。が、念の為、魔法が使えないように拘束はさせて頂きます。構いませんね?」

諜報部と言われて思い当たるのはドランバルトくらいで。あの男が此方の事情を何処までは知っているかは分からないが、妖精の尻尾所属である事や容姿 ( 詳しい事は分からなくとも、格好は目印くらいにはなる、はず ) は伝えられているのだろう。

念の為という事はそう悪い印象は抱かれていないと思って良いのだろうか。構わないと素直に頷けば、では此方へと他の囚人同様に魔封石の付けられた手錠を片手に付けられた上でジェラールの護送車へと案内された。

「! 君は」

護送車が停まった事も、監獄に着くまで開かれる筈が無い扉が開いた事に不思議な顔をしたジェラール。そして次には私の存在に驚いたように目を見開く。先に助けに来た訳では無い事を前置きした上で、聞きたい事が有ると口にした。

「聞きたい事?」
「…地獄の鎖の名前に覚えは?」

真っ先に反応を示したのは、監視で居たラハールの方だった。それもその筈。地獄の鎖は今回戦った六魔将軍を始めとするバラム同盟とは別に独立した闇ギルド。けれど、奴らのやっている事は極悪非道。それでも評議院は奴らの尻尾すらも掴めていないのだから、こんな所で名前が出る事に驚いても無理は無かった。




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ゆきっき(プロフ) - いつかヴェンディが真実を知る日をずっと楽しみに待ってます! (2022年8月4日 0時) (レス) @page46 id: e77387d96a (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - 続き待ってます (2021年6月11日 16時) (レス) id: 8490818b21 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しく思います。また近々続きの更新して下さると嬉しく思います。更新を楽しみに待ってます。 (2021年3月31日 6時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新して下さると嬉しいです。更新を楽しみに待ってます。 (2021年1月21日 21時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。返信待ってます。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紗葉 | 作成日時:2019年11月30日 19時

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