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「ッ、」

無事に魔水晶を無事に破壊出来た事で一息着こうとしたのも束の間、崩れ始めた建物。400年前に造られたモノが現代まで姿を保っていた方が凄いのだから…破壊された今、崩れるのが一瞬なのは当たり前と言えば当たり前なのだろう。

「ウェンディ、こっちよ!!」
「シャルル!」

足場が悪い上に時々落ちて来る欠片を煩わしく思いながらも進んでいれば、いつの間にか可笑しな場所に出ていたようで前方に見えた人影。それはウェンディとシャルルだった。( なんであのふたりが此処に…? )

「きゃあっ」
「ウェンディ!!」
「ッ!」
「! あなた、」
「おね、……Aさん!」

足を取られて転んだウェンディの上に落ちようとしていた岩を風の魔法で吹き飛ばせば、驚いたように此方を見たふたり。言い掛けた少女の言葉は聞かなかった事にして、ふたりの元へと駆け寄れば、立てる?と手を差し出す。

「捕まってて」
「はっはい!」

立ち上がった後、ウェンディにはシャルルを抱えて貰って更には私が彼女を横抱きする。そしてそのまま外へ駆けた。………ものの、

「ふ、塞がってる…!」

順調だった進路は岩石で塞がれていて、思わず眉を顰める。適当に走った所為で違う通路に来てしまった私としてはまたそうしたとしても悪循環でしかない気がして、どうするかと思案する。

「A殿、此方へ」
「!」
「ジュラさん!!」

その時、私たちの頭上から降っていた小石たちから守るように出来た岩の屋根。下から聞こえた声にハッとして其方を向けば、ジュラが居て。ウェンディを彼に預けて、魔法で安全に保たれた道を進んだ。

「皆、無事か!?」
「ぷはー」
「あぎゅー」
「ほぎゅ」

外へ出ると軽く息を吐きながら、岩場へと座り込む。エルザは既に脱していたようで、その後にほぼ同時にグレイ、ルーシィ、ハッピー、アクアが姿を現した。

「ナツさんは!? ジェラールもいない…!」
「何やってんだ、あのクソ炎…!」

ぽてぽてと近付いて来るアクアに、お疲れ様と口にしながら頭を撫でる。その時、聞こえた声に周囲を見渡せば、確かに姿は見えず。

本来なら魔水晶の破壊にはジェラールが行っている筈なのだけど…何故かウェンディとシャルルが居り、途中で感じたナツの膨大な ( それこそ、エーテリオンを食べた時のような )魔力を感じた事を踏まえると…魔水晶破壊の役目を少女に託した上で、彼がナツに何かをしたのは何となく推測が出来る。そしてウェンディの発言や、ニルヴァーナの方を心配そうに見つめるエルザの反応でそれは確信へと変わった。





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ゆきっき(プロフ) - いつかヴェンディが真実を知る日をずっと楽しみに待ってます! (2022年8月4日 0時) (レス) @page46 id: e77387d96a (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - 続き待ってます (2021年6月11日 16時) (レス) id: 8490818b21 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しく思います。また近々続きの更新して下さると嬉しく思います。更新を楽しみに待ってます。 (2021年3月31日 6時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新して下さると嬉しいです。更新を楽しみに待ってます。 (2021年1月21日 21時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。返信待ってます。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紗葉 | 作成日時:2019年11月30日 19時

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