FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - 02 (ページ7)

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「嗚呼、スマン…オレはシモン。敵じゃないから安心してくれ」
「じゃあ…妖精の尻尾の魔導士とジュビアを除いて残るふたりの内、ひとりは貴方って言う事で間違いない？」

その警戒した事は伝わったようで、名乗った大男…基、シモン。続いた私の疑問に、オレとショウの事で間違いないと頷いた。そしてショウというのが恐らくはアクアのいう＂ちょっとチャラめの人＂なのだろう。

「ナツは恐らく最上階を目指し中。……エルザはグレイ達と一緒だと思うけど」
「それに！それに！エルザとどういう関係？」

彼等を探しながらでも構わないかと言う彼に頷く。そして駆け出しながら、アクアの質問に答える為に語られたのはエルザを含む彼等の過去。

「この塔の名は〝楽園の塔〟。別名〝Rシステム〟。もう10年以上も前の話だ」

黒魔術を信仰する魔法教団が〝死者を蘇らせる魔法〟の塔を建設しようとしていた。政府も魔法評議会も非公認の建設だった為、各地からさらって来た人々を奴隷としてこの塔の建設にあたらせた。

「じゃあ、妖精の尻尾に入る前のエルザは…」
「嗚呼、その中に居た一人だ。オレやショウ、ミリアーナ、ウォーリー。そしてあのジェラールも」
「ジェラールも…」

ある日。懲罰房に入れられたエルザを助ける為に、助けに向かったジェラール。けど、戻って来たのはボロボロのエルザだけ。つまりジェラールは身代わりに捕まってしまったのだろう。然し…ボロボロの筈のエルザが、自由を手に入れる為に立ち上がれと武器を取ったという。

「じゃあ…貴方の顔の怪我も？」
「嗚呼、魔法兵にやられた。反乱中に余所見したオレも悪いんだがな」

人間対人間ならば、奴隷として働かされていた彼等の方が人数的にも、体力的にも分が有った。然し、流石に魔法には適わなかった。

「情けない事にオレは怪我で気を失っていて、これはウォーリーから聞いた話だ。…最前線にいて指揮も執っていたエルザも魔法兵に狙われた。だが、それをロブというじいさんに庇われた。その時らしい、エルザが魔法を手に入れたのは」
「嗚呼、その人ならちょっとだけ聞いた事有る。その人は元々魔導士やってて、妖精の尻尾に所属してたって」

何の話のきっかけは忘れてしまったけど…昔。何故、妖精の尻尾に入ったのかという話をエルザとした事が有る。そして確か、命の恩人が所属してたのが妖精の尻尾だったと。

「オレ達が逃げ出す為に船を待っていた時…懲罰房に向かったエルザと、其処に捕えられていたジェラールが、どんな会話をしたかはオレには分からない」

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