FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - 02 (ページ47)

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「よせ！！！ラクサス！！！今のナツにそんな魔法を使ったら…！！」
「雷竜方天戟！！！！」
「殺す気かぁっ！！！」
「くそおおっ！！」
「イヤーーー！！！」

阿鼻叫喚の中、ナツの前に飛び出そうとするものの…それよりも先に動いた何か。ラクサスから放たれた雷の戟が一直線にナツへと向かったかと思いきや、その直前でカクンッと直角に曲がる。

「うおおおおっ！！……があっ！」
「！ガジル…」
「鉄……まさか、自ら避雷針に……」
「ッ、今はこれが限界だけど……！」

それは自らの腕を鉄と化して、代わりに雷を受け止めたガジルで。それを見て身体に力を入れると、身体に残っている魔力を炎へと変化させて、ナツへと向けて放つ。

「火竜の……」
「おのれェェェっ！！！」
「鉄拳！！！鉤爪！！！翼撃！！！劍角！！！砕牙！！！」

「その魔法…竜の鱗を砕き、竜の肝を潰し、竜の魂を狩りとる」
「滅竜奥義…」
「 ── 紅蓮爆炎刃！！！」

炎を食い尽くし、地面を蹴ったナツは怒りの炎と共に連続で技を決める。そして全力で放たれた滅竜奥義。今度はラクサスが為す術もなく、全てを喰らい地面へと倒れる。

── そして、火竜の勝利の咆哮が大聖堂へと響き渡った。

「A、着替え貰って来たよ～！」
「ごめんね、家まで取りに行って貰って」
「ううん、お安い御用って奴だよ！治療は終わったの？」
「フェニックスも手伝ってくれたから」
「キレてた？」
「＂テメェらは揃いも揃って怪我し過ぎだろ、馬鹿じゃねーの＂って」
「うわあ、容易に想像が着く……」

水分を取った後、皆の治療をしている間に家まで私の着替えを取りに行ってくれていたアクア。身内争いもそうだけど、神鳴殿を壊した事による生体リンク魔法による怪我人が一番多かったように思う。

「ラクサスの言ってた事、本当なんだよな？滅竜魔導士だって」

シャワーを浴びて着替えた後、帰ろうか迷っていると呼び止められて振り返る。其処にはナツとガジルが居て。ナツの口にした言葉に、嗚呼と小さく呟く。

「水竜・セイレーン」
「「！」」
「それが私に滅竜魔法を教えてくれた竜の名前」
「じゃあ、その竜も…X777年7月7日に……！？」
「正直、あの頃は日付感覚が曖昧な部分は有るけど…恐らくは」

竜の名前を聞けば、僅かに目を見開くふたり。続けて問われたナツの言葉には少々曖昧な返事になってしまったけど、気にはしてないようで思案する素振りを見せた。

「つーか、何で今まで黙ってたんだよ」
「余り目立ちたくなくて。だから、なるべく口外しないで貰えると助かる」

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