FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - 02 (ページ43)

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「北の200個は私とAがやる！！！皆は南を中心に撃破！！」
『一個も残すなよ！！』

エルザ以外の女の子の無事も確認したかと思えば、フリードの術式の所為とはいえど…争った事は彼らに多少の亀裂を齎したよう。

然し…街に攻撃させる訳には行かないと、決着は神鳴殿を壊してからだと、再び一致団結。そしてエルザと頷き合うと、彼女の言葉を合図に火の鳥を神鳴殿へと向けて放った。

「やった…か」

様々な魔法が空へと打ち上げられたかと思えば、派手に音を立てて破壊された魔水晶。身体を襲うであろう衝撃にしゃがみ込んでは、ぎゅっと拳を握った。

「……ッ、ぐ」

ひとつ破壊した時とは比べ物にならないレベルの衝撃に思わず唇を噛み締める。未だ繋がったままの念話からも、次々に悲鳴が届いた。

『み……みんな…無事…か…？』
「全く…お前達は何という無茶を…」
『お互い様……って事で』
「ふふ……私達は本当に良いギルドだな……」
『ラクサスが反抗期じゃなかったらもっとな』

唇を噛み締めた過ぎた所為か、若干血の味がしつつも衝撃が幾らか落ち着いた頃、大きく深呼吸していれば、ふとそんな会話が聞こえて来る。あれを反抗期で片付けて良いのか些か疑問では有るけど…それさえも受け入れてしまうのが、きっと妖精の尻尾の良い所でも有るんだろう。

そして壊す前とは逆に相手を気遣う余裕も出て来たようで、お互いの心配する声がちらほらと飛び交った。

「…！」

槍を取り出して覚束無い足取りでは有るものの、ゆっくりと立ち上がる。その時、ぞくりと背筋を走る悪寒。嫌な感覚にカルディア大聖堂の方へと視線を向けた。

( 何だろう…この感じ。…ラクサスの魔法、？ ) そこまで考えて、ハッとする。そうだ、彼の魔法。ずっと見る事が無かったから、すっかり忘れていた。彼の雷は、唯の雷(・・・)じゃない。

「A！その傷で、ナツの加勢をするつもりか！？」

大聖堂の方へと足を踏み出した私に、驚いたように掛けられた声。それは神鳴殿を壊した影響で横になっていたエルザで。けれど、今の私にはちゃんと答える余裕等無くて、大丈夫だからとだけ告げてフードを被り直して時折、転けそうになりながらも大聖堂へと足を動かした。

( ラクサスが幾ら強いと言えど、唯の雷系の魔法で、此処までダメージを食らった事なんて無かった。何で忘れてたんだろう…！ ) 恐らく、彼と戦うナツは知らない筈だ。彼が、ラクサスが ── 雷の滅竜魔導士だと言うことを……！

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