FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - 02 (ページ41)

今日:10 hit、昨日:20 hit、合計:65,125 hit

（ 4 / 6 ）ページ41

「スキあり！！！」
「ぐはっ」
「ミストガン…！」

余所見をした瞬間にラクサスの放った雷。避ける暇も、盾を造る暇もなく、明らかに覆面を狙った攻撃が、彼へと直撃した。

「え？」
「ジェラール……」
「おまえ…」
「生きて…」
「お？知ってる顔だったのか？」
「ど…どうなってんだ！？ミストガンがジェラール！！？」

初めて彼らの前に晒される素顔。それは、楽園の塔で見た＂ジェラール＂そのものと言っても過言ではない。この間…戦ったばかりのナツや、縁のあるエルザが驚いたように目を見張る。更にエルザの瞳には涙が浮かんでいて。

「エルザ…貴女(・・)にだけは見られたくなかった」
「え？」
「私はジェラールではない。その人物は知っているが私ではない」

私が楽園の塔の出来事を伝えていたからか、顔を俯かせたミストガン。そして視線を向けられて、此処は大丈夫だという意味を込めて頷けば、後は任せると姿を消した。

「だーーっ、ややこしいっ！！後回しだ！！ラクサス、勝負しに来たぞ！！エルザ、いいよな！オレがやる！！エルザ！！！」
「ッ、構えてない相手を攻撃するのは卑怯なんじゃないの。ラクサス」
「ハッ、似合わねえツラしてるからだろうが」

ナツが喚く中、エルザに向けて放たれた電撃を、今度こそ炎で相殺させる。彼が必死に隠していたものを暴いた事への罪悪等は一切無いらしい。

「何やる気になってんだ！！オレが相手するって言ってんだろ！！！このやろォ！！」
「ん？いたのか、ナツ」
「オレと勝負しろやァ！！！ラクサス！！！」
「！ナツ」
「てめえのバカ一直線もいい加減煩わしいんだよ。うせろ、ザコがっ！！！」

拳に炎を纏ってラクサスへと向かって行くナツ。向けられた電撃も、持ち前の素早さで躱しては攻撃へと転じて行く。

「逃がさねえぞ、コラ」
「逃げるかよ、てっぺん取るチャンスだろ！！！」

蹴っては蹴られ、殴っては殴られ。お互いに左腕を掴んだかと思うと近距離での殴り合いの押収。次にはナツが腕を引かれて地面へと転んだかと思いきや、ラクサスの足を掬うように蹴りをかました。

「ナツ、任せて良いの」
「おっ？おう！！」

ふたりが離れたタイミングを見計らって、ナツへと問い掛ける。頼もしく頷いた彼に、神鳴殿発動までの時間を見れば、もう2分という所まで来ていた。

「って、オイ！どこ行くんだよ！……まさか、お前…神鳴殿を止めに…あれには…！」
「生体リンクでしょう。もうひとつ壊したから知ってる」

・

・