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「居場所は分かっているのか?」
「マスター……まさか、」
「道を間違えた若者を正しき道に導くのもまた老兵の役目。それにAとしては近くに居て貰った方が良いんじゃないのか?」
にかっと笑みを浮かべたマスターに、開き掛けていた口を閉ざす。あの姿が見せた事を分かっているのだろう。
心当たりのある場所を告げたジュビアに、ワシから声掛けてみようと答えを返したマスター。ありがとうございますと頭を下げて、今度こそ…ミラと共にカウンターの方へと向かって行った。
「ところで、A。…足のアンクレットはどうした?」
「嗚呼…楽園の塔、Rシステムや評議院の事はお聞きに?」
「大体の事はヤン坊から聞いておる」
「なら、話は早いです。其処で戦った際に。今は術式で何とかカバーしてるので、後でポーリュシカさんの所に行くつもりです」
私の足首を見たマスターに、外套の袖を少し巻くって術式を見せる。魔力が安定している今はこの術式で構わないだろうけど…仕事をする上で、ずっとこのままという訳には行かない。
ガジルの所に行く時は声を掛けて下さいと告げてから、早速と言わんばかりにポーリュシカさんの所へと足を向けた。
「壊れるなんて余程の魔法を食らったんだね」
「マスターと同じ聖十大魔道の称号を持つ人物が相手だったもので」
顔を出せば、また何しに来たんだいと顰めっ面ながらも迎えてくれたポーリュシカさん。 そして彼女のくれたアンクレットが壊れた事を報告すれば、その目は大きく開かれた。
二代目となるアンクレットを受け取ってそれを足へと着ける。術式を外しても、あの魔力が私を襲う事は無く。ポーリュシカさんにお礼を言って彼女の家を出ると、自宅へと戻った。
「ん………」
「済まない、起こしたか?」
「え? あ、寝ちゃってたんだ…」
髪に何かが触れる感覚に意識が浮上する。シャワーを浴びて髪を乾かし終えた所までは覚えているけど、どうやらソファに座った後で寝落ちしていたよう。目を開ければ、ラフな格好をしたミストガンが居て。( そう言えば、合鍵渡してたっけ )
「アンクレットが壊れたそうだな」
「ポーリュシカさんに聞いたの?」
「…いや、君を心配している者が教えてくれた。昨日の件も」
シャワーを借りたと口にした後、足首のアンクレットに触れるミストガン。そして定位置であるチェストの上へと置いていた鍵のホルダーを見た。ここの所…前よりも喚び出す機会が増えていたから、フェニックス以外にも休息を出していたけど…心配を掛けてしまっていたようだ。
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ムーン(プロフ) - とてもこの作品が好きです!更新頑張ってください! (2019年10月2日 23時) (レス) id: dbcb69aa60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紗葉 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/F0OOQB
作成日時:2019年6月25日 16時