第11話:VS ジェラール ( 1 / 5 ) ページ12
「此処に来る前までは普通に生活してたんでしょう? やっぱり、貴方にも家族って居たの? ……話したくなければ、無視してくれて良いんだけど」
アクア達と分かれて、気絶したままのナツをシモンが背負いながら、私はその後ろで治癒魔法を掛けながら上へと向かう。その間の沈黙していると余計な事ばかり考えてしまう。それはシモンも同じようで。話題を振ってくれる彼に、今度は私が質問を返した。
「オレはエルザと同じローズマリー村の出身なんだが、その村で妹と暮らしてた。カグラって言うんだ。…生きてれば、16歳くらいだと思う」
「…生きてればって、此処には居なかったの」
「嗚呼、村が襲われた時…偶然にもエルザが助けてくれたそうだ。此処には連れて来られてなかったようだから、逃げられたんだと思う」
襲われた時とさらりと言ったけど、村ごと犠牲になったのかと其処は思わず息を呑む。( それにエルザと同じ村出身…ある種、幼馴染という感じなんだろうか )
「じゃあ…この件が終わったら、探して、会えると良いね」
「嗚呼、探そうと思う。…君の方は? 兄弟は居るのか」
「………私も妹が居る。もう5、6年は会えてないけど」
私の言葉に、そうかと僅かに目を見開いたシモン。皆まで聞かなくとも…こういう経験をした彼は、私の身に何かしら遭った事は察しが着いたのだろう。
「君も、会えると良いな」
「いざとなると、怖そうだけど」
「それもそうだなあ。妹がオレの事を覚えてくれているかどうか。……ん? ウォーリーか!」
不意に立ち止まったかと思えば、額に手を当てたシモン。何やら話している所を見ると、思念伝達魔法だろうかと黙って見守った。( …ナツは好い加減、起きれば良いのに )
「ウォーリーとミリアが倒れてるルーシィとジュビア。そして三羽鴉の一人が倒れているのを見つけたらしい。一緒に塔の外へと連れ出して貰うように言った。そしてショウからも通信が入って、エルザが最後の一人を倒したらしい」
エレメント4の一人であったジュビアの実力は然ることながら、ルーシィも中々の戦闘力らしい。( アク エリアス辺りかな ) そしてエルザが倒したというのなら。
「三羽鴉は全滅。…残る敵は、何処ぞでふんぞり返ってるジェラールだけ」
「火竜にも後で話すが……あいつは全ての決着を一人で着けようとしてるんだ。あの二人には8年にわたる因縁が有る。戦わなければならない運命なのかもしれない。だが……ジェラールは強大過ぎる。頼む、エルザを助けてくれ」
「……助けるって言うのは、ちょっと違う気がする」
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ムーン(プロフ) - とてもこの作品が好きです!更新頑張ってください! (2019年10月2日 23時) (レス) id: dbcb69aa60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紗葉 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/F0OOQB
作成日時:2019年6月25日 16時