FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - (ページ34)

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『ひれ伏すが良い、クソガキ共。そしてその身の程を知れ！絶望の中で己の最期をたっぷり味わうが良い…！！』
「「向かってきたーー！！」」

幽兵がギルドを囲んだかと思えば、巨人へと変形。ズシンズシンと音を立てて向かって来る魔導巨人は、そのまま私達やギルドを踏み潰す気で居るらしい。然し、突然の変形に追い付かないのは私達だけではなく…ファントムの魔導士でさえ、対応出来なかったようで慌てて何処かへと捕まっているのが見えた。

「目の前の敵に集中しろ！！あの巨人はナツが必ず止めてくれるはず…！」
「いや…でも…ナツは乗り物…」
「其処は大丈夫。〝トロイア〟…酔い止めの魔法は掛けたから」
「「おお！」」

ナツの乗り物酔いの酷さはギルドのメンバーなら、誰もが知ること。マックスとカナにそう声かければ、僅かに目を輝かせた。

「文字…？」
「いや、あれって…！」
「魔法陣！あの巨人がひとりの魔導士だっていうのかい！？」
「煉獄砕波(アビスブレイク)…！禁忌魔法のひとつじゃない…！」

ざわめきの声に次から次へと一体何なんだと空を見上げれば、巨人の腕が魔法陣を描いていて。あれはと思った時、ギルドの方から聞こえた声。それはルーシィ ── 否、彼女に変身したミラが居て。

「A！此処はアタシ達に任せて、アンタも行きな！！」
「おう！アレを頼むぜ、A！！」

カナの声に続くように声を掛けてくれるギルドの面々に頷いては、ミラへと声を掛けて水を貰う。そして一気に飲み干すと、フェニックスにはこの場に残って貰い、更にアクアに声を掛けて巨人の方へと向かった。

「そう言えば、どうして着くの早かったの？ミラちゃんが時間は掛かるかも…って言ってたから」
「白虎が頑張ってくれたの。ずっとマックスのスピードで此処まで」
「あばばば…良く生きてたね」
「流石に結界を張ってた。白虎のマックススピードは呼吸出来なくなる」

巨人内部を走りながら尋ねて来たアクアに、最後の方は流石にへとへとに成りかけていた白虎を思い出しながら告げる。それを聞くと、遊びで白虎の背に乗ってマックススピードを経験した事が有るアクアの顔から一気に血の気が引いた。

「それとミラに伝えるの忘れたけど、ミストガンも裏で動いてくれてるみたい」
「そうなの？」
「うん。マスターの事は任せてくれって。…折角、通じたのに一方的に切られた」

説明しなくとも抗争になっている事は知っていたらしく、マスターが重症を負った事も知っていたらしい。( 口数が少ないのは今更だけど、少しくらい説明頂戴っての )

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