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「グレイ!」
「！」
ルーシィが、視界に捉えたその光景に思わず声を上げるのが聞こえた。釣られてそれを確認するように目を向ける。
その先には今にも潰されてしまいそうなグレイが。ヒヤリと冷たいものが背を伝う感覚がした。小さく悲鳴を上げそうになり、それを押しとどめる。
大丈夫だと、自身に言い聞かせる。あれくらいでやられてしまうのなら、すでにここには居ないだろうと。
現にルーシィの声にも、不安は感じられなかった。多少なりとも心配はしただろうが、それは当然のことで、それでも不安はなかったのだ。
実際、グレイは自身に向かう巨腕を前に引くそぶりも見せなかった。それどころか真っ直ぐに睨み付けていた。彼は自身を中心にして、体とわずかな間隔を開けて周りを氷で覆っていた。もう簡単には動けないはずだ。
もう安全なことを確認できたことで、自分のことに意識を戻す。
ルーシィとともに小動物の相手をしていく。確実に数を減らしているはずなのにどこからともなく湧いてくるのは、これも魔法のせいだろうか。
倒したそばから何故か溶ける様にその残骸が跡形も泣き消えていく。一体どんな原理なのか見当もつかない。
「全然減らないんだけど！どうする、ルーシィ」
「倒し続ければいつかは……って思いたいけど、たぶんどこかにあるのよ。こいつらを生み出してるモノが」
アニマルソウル――特定のモノを接収することでその力を自分に反映させる魔法――によって、ネコを模した格好で敵を引っ掻きながら問う。
「どうすればわかるかな」
「どこから流れてきているか見て！」
言葉少なに感じるかもしれないが、それなりに長くいれば自然と理解できるものだ。言われた通り、敵の流れの元を探る。
しかし、大まかな方向しか分からないうえに、そこかしこで戦闘をしているために迂闊に移動もできない。
「姫。向こうから微かに魔力を感じます」
「！バルゴ、詳しくわかる？」
バルゴと呼ばれたピンク色の髪をショートカットに整え、メイドカチューシャを付けたメイド服の女性はルーシィの問いに、「少々お待ちを」と言って敵を倒しながら感覚を研ぎ澄ませているようだ。
バルゴはルーシィが契約している星霊だ。それも黄道一二門と呼ばれる、世界に一二本しか存在しない鍵から召喚されるうちの一体、いや一人だ。その感覚は鋭いものだった。
戦闘が激しくなる中、ポツポツと当たる物を気にした者はいなかった。
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理胡(プロフ) - もう更新されないんですか？？すごく面白いので更新していただきたいです！！！ (2020年4月3日 21時) (
レス) id: 98dc83a74b (このIDを非表示/違反報告)
beeness - 面白いです！！続きを楽しみにしてます！ (2018年9月27日 13時) (レス) id: 1f688be4c1 (このIDを非表示/違反報告)
リセッシュ - もう更新しないのですか？ずっとまってますからね((o(´∀｀)o))ﾜｸﾜｸ (2017年3月19日 20時) (レス) id: 1676d4189b (このIDを非表示/違反報告)
リセッシュ - つづきが気になります！ 更新まってます (2017年2月4日 8時) (レス) id: 1676d4189b (このIDを非表示/違反報告)
ゆーり(プロフ) - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2015年12月30日 14時) (レス) id: 8bbb6dca12 (このIDを非表示/違反報告)
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