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落ち着いて話ができる状況になった。
宿の和風な造りの部屋の中で向かい合って座る。と言ってもほとんど追加情報もなく話すことも特にはなかったから、明日の段取りだけを確認していた。
「まずは例の森を散策する。敵の出現条件が分からない。とりあえず、森の中を歩き回って向こうから出てきてくれれば、それを撃退する。見つからなければ、巣か何かを探してそこを叩く」
エルザが確認をとると全員が頷いた。
ここまで何も分からない状況から依頼を遂行することはあまりない。細かい作戦も立てようがないために、ざっくりとしたものになっていた。
全員が理解したことを確認するとエルザも一つ頷き、笑みを浮かべた。
「よし、じゃあ今日はもう遅いからな。寝るとしよう」
そうして床に敷いた布団に入っていく。
左からルーシィ、リサーナ、エルザ、グレイ、ナツの順だ。寝る位置でも少々揉めたが、最終的にエルザを境界線として男女に別れることになった。
一体エルザをなんだと思っているのだろうかという突っ込みは無かった。ルーシィは思っていても口には出さなかった。自身もそれに納得してしまったからだった。
そんなこんなで就寝したが、ナツとグレイは寝相があまり良いとは言えない上に、いびきが酷い。
しかし、女子の三人は全く動じた風もなく眠りについていた。さすがに慣れてしまっているのだろう。もしくは、自然と意識から除外するようになってしまったのか。
本人達にすれば全く喜べない成長だろう事は明白だった。
翌日早朝。エルザに叩き起こされたナツとグレイは、だらしなくも未だ眠そうに目を擦っている。
ルーシィはエルザと同じくらいに起きてリサーナをそっと起こした為、快適に目覚めることができたのは女子達だけだ。
準備を整えて宿からでると、ちょうど歩いてくるアルメラを認めた。
「皆さんおはようございます。祖父に皆さんをご案内するよう云われまして。本日はどのようなご予定で?」
挨拶もそこそこに、アルメラは案内を申し出た。
「有難うございます。さっそく森を探索しようかと思っていましたから、普段村の方が使用している入り口などがあれば、そこまでの案内をお願いします」
遠慮で好意を無下にするようなことはせず、ルーシィはアルメラに簡潔に今日の予定を告げる。
アルメラが了解の意を示し、付いてくるように言って先を歩き出した。
一行は来た方とは逆の出入り口から村を出た。
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理胡(プロフ) - もう更新されないんですか??すごく面白いので更新していただきたいです!!! (2020年4月3日 21時) (レス) id: 98dc83a74b (このIDを非表示/違反報告)
beeness - 面白いです!!続きを楽しみにしてます! (2018年9月27日 13時) (レス) id: 1f688be4c1 (このIDを非表示/違反報告)
リセッシュ - もう更新しないのですか?ずっとまってますからね((o(´∀`)o))ワクワク (2017年3月19日 20時) (レス) id: 1676d4189b (このIDを非表示/違反報告)
リセッシュ - つづきが気になります! 更新まってます (2017年2月4日 8時) (レス) id: 1676d4189b (このIDを非表示/違反報告)
ゆーり(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください! (2015年12月30日 14時) (レス) id: 8bbb6dca12 (このIDを非表示/違反報告)
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