元、player 【undertaleAU】 (ページ16)

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入手する。ページ16

「……悪くないわね」

店員はホッとした様子で、どうやら怖がらせてしまったらしい。

「値段は？」

私が問うと、店員は少し申し訳なさそうに答えた。

「本来は三万ゴールドなのですが……ご迷惑をお掛けしてしまったので、半額の一万五千ゴールドでもよろしいでしょうか……？」

「…別にそのままで構わないわ。特に不快感を感じた訳でも」

「いっいえ！今回の件は当店の過失なので……！！」

「……そう」

目の前の、少し気弱そうな男性店員。

何となく弟の様に見えた。

「では、一万五千ゴールド……丁度、頂戴致します」

「ありがとう。なかなかに品揃えが良かったわよ」

「お、お褒めに預かり光栄ですっ……！」

何だか神様の様な扱いをされて、少し可笑しく感じてしまう。

「お客様は神様です」とはこの事だろうか。

日本の文化だというのに、アメリカが原作の作品の、さらに治安の悪いマフィア地域でも同じ。

随分と不思議な事だ。

まぁ、或いは単に畏怖の対象であるだけかもしれないが。

「さて……」

後方から感じる視線。

それも、先程の事に関しての好奇や感心という訳でも無さそうだ。

恐らくだが、店内での出来事に腹を立てた三人組が仲間でも呼んで仕返しでもしようという考えだろう。

ここは敢えて引っかかるのも悪くない。

人目の付きにくい、ポータルがあった所とは違う裏路地に入り込み、角を曲がると、完全に大通りからは見えなくなった。

敢えて路地を覗きに来るような物好きでもあるまいし、彼らにとっても絶好のチャンスであることは間違いない。

「そこに隠れてる方々、出てきたらどう？」

動揺からか一瞬揺れた青いペールバケツ。

そちらに視線を向け、意識を割いたーと思わせてみると、サブマシンガンらしき銃の弾が発射される音がした。

コンマ数秒の内にそこから動き、少し後ろに退がる。

すると、ペールバケツがあった場所の反対側……つまり段ボールの後ろから人が出てきた。

弾を避けるとは思っていなかったのだろう、驚愕の表情ながらも再び銃を向けてきた。

トリガーが引かれた事を皮切りに、街の一角で一体多の銃撃戦ーもとい、一方的な蹂躙が開始された。

勿論、結果は一人の圧勝であったが。