6：悪夢は忌み嫌い、 ページ11
「……それで、このAUのどこ？かなり広いけど」
「ふむ……そうだな、あの辺でいいだろう」
そして彼は触手で少し遠くを指差し、瞬間移動をした。私もネガティブを注がれたことで多少は能力が使えるようになったので、見様見真似で瞬間移動をしてみる。
「ほう……もうその力を使えるようになったのか」
「……使えてなかったら走らせてたでしょうね、貴方の事だから」
「当たり前だ」
「ほんといい性格してるわね」
「嫌味か」
「ええそうよ、何か問題でも？」
「一々癪に障る女だな……」
「あら私まだ11歳なのに『ガキ』じゃなくて『女』なのね」
「……」
「ま、喋り方もあるでしょうけど」
「……ねぇナイトメア」
なんか私達と相反した性質が来てる気がする……
「……ああ」
「Dreamtaleまで」
「タクシー代わりにするな、メス」
「誰がメスよ」
一々ムカつく奴ね……
「フン、ネガティブ集めの効率が悪過ぎるな」
「だったらやめなさい」
「誰に命令している」
貴方だけど？
「……心で会話するな」
「……敵が来てる状態なら、別に構わないと思わない？」
「もしかして、敵って俺の事？」
「貴方以外誰が居るの？」
「それよりDarling……まさかフィアンセを作ったのかい？」
「そんな訳ないだろ」
「浮気は良くないよ、Darling」
「違うっつってんだろ」
何なのかしら、この鳥頭。
「む……その発言は聞き捨てならない」
「心が読めるのね」
そして、彼がこちらに近付いてくる。
「おや……随分と端正な顔立ちの女性じゃないか」
「……貴方ってナンパ師か何か？」
彼を一睨みして嫌味でも言ってみる。
「まさか。本心さ」
「ナイトメア、彼の嘘を証明してくれない？」
この男……胡散臭い上にポジティブ属性ね……
「……非常に残念だが、そいつの言葉は本心だぞ」
「あら、ナイトメアまで狂ってしまったのね」
いえ、黒い林檎を食べた時からかしら。
「誰が狂ってるって？」
「貴方達」
「コイツと一緒にするな」
「そんなこと言わないでくれよDarling♡」
「それよりも……その女性はDarlingのフィアンセじゃないんだったよね？」
「ええ」
「当たり前だ」
「じゃあ俺のhoneyだ」
「どうしましょう今私の中で殺意しか無い」
「言葉不自由か」
「そもそも、あのハチミツと同じ名前で呼ばれることすら吐き気がする程嫌なのに……その上、この鳥から言われるなんて無理」
「アイツになんの恨みが……？」
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