元、player 【undertaleAU】 (ページ2)

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1︰少女はひとり、ページ2

「いつになったら帰るの〜？」
「もう9時半だよ？」

返答は無い。聞こえていないか、無視しているか。恐らく後者だろうが。

「そろそろ帰らないと父さんに怒られるよ？それに、君らだって……」

「……もうちょっとだけ」

「そーそー、あと俺らは多少遅れても怒られないからw」

……ほんと、何なの。

兄とその友達と一緒に原っぱの夏祭りに来たはずが飽きてファミレス、ひたすらだべった後は川で写真撮る…

「……最悪」

こういう時は推しを眺めるに限る！

イヤホンを付け、スマホでAUの動画を流し始める。

だから、気付かなかった。

すぐ横で、何か黒いものが蠢いているのを。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

取り敢えず動画は終わったのだが、何をしようかとても迷っている。

「音楽聞こ……」

イヤホンを耳に入れたまま、アプリで音楽を流し始める。しかし、好みの音楽は見つけられず、そのままスマホを閉じ、ショルダーバッグに入れた。

「……？」

何だろう、あれは。

川へと降りる階段に乗る為の階段に乗っていたのだが、すぐ横で何か黒い…触手の様な、薄気味悪い黒いものが蠢いていた。

……絶対に、触れてはいけない気がした。

「ソレ」からは、悍ましい気配と、同時に多くの負の感情が感じられた。

しかし、好奇心には抗えないものだ。人間というのは、そういう生き物なのだから。

それに、何故か、見覚えがある気がしたのだ。それも、ついさっき。

「ぁ……」

吸い寄せられるように「ソレ」に触れた。

＊触れてしまった
＊︰(

「ソレ」は姿を変え、

見覚えのある「彼」に変化した。

「……nightmare…sans……」

「ほう？俺を知っているのか」

ぇ……知っているから、来たのではなく……

誰でもよかった――？

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「……」

どうしよう、最推しのメア様が隣に……
しかも私のポジティブになんら反応してない……

……ああでも、もう帰らないといけない。

「……非常に恐れ多いのですが私共はもう帰らないといけない時間でございまして……」

「……」

あれ……？

これは帰っていいということでいいのか？？

「……お兄ちゃん、流石に帰らないとまず……っ！？」

「……アヤカ？」

あれ……

どうして、さっきまで階段にいたはずの彼が、ここに――？

彼女の判断力は、夜という事と、推しが目の前にいるという事象により、とても鈍っていた。
二次元の住民が、三次元にいるというあるまじきことにも気付かぬ程に……

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