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bloom.5 ページ27

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「あっあれ……ない……」

部屋の前に着いてすぐ鞄からカードキーを取り出そうとするが、どこのポケットを開いても、物を退かしてもカードキーらしき物は見つからない。

家を出る時確かに入れたはずなんだけどな……。

うーん……一護(イチゴ)が持っていったんだろうか。


「どうした」

「カードキーが見当たらなくて……おかしいなあ」


鞄をひっくり返す勢いで焦る僕を不審に思ってか、声をかけてきた(ライ)さんに事情を話す。


「カードキーの紛失は管理人に言えば……いや今日は不在か」


思いついたことを口に出しかけた(ライ)さんだが、思い直したようで言葉を止める。
だとしたら今すぐ取りに行くことは出来ないのか……。

一護(イチゴ)に話を聞くにも今は無理だろうし、困ったなあと呟きつつ頭を悩ませていると、(ライ)さんが口を開く。


(シキ)が戻るまで、うちに居るか?」


そう言いながら彼は自分の部屋を指差して、僕の反応を見る。
それは願ってもいない提案だったけど、そこまで甘えてもいいものだろうか。

でも、正直ここにいても仕方ないしなぁ……と考えている間も、彼はじっと答えを待ってくれていた。
少しの間考え込んでしまったが、僕はお世話になることにした。


「……じゃあお邪魔します」


遠慮がちにそう言って(ライ)さんの後に続いて部屋に入る。
先程入った時に少し内装を見たが僕より長く住んでいるせいか、家具の配置とか生活感があったりと、なんだか不思議な感覚だ。

キョロキョロしていると、本を片手にソファーでくつろぎ始めている(ライ)さんから早く座れと促され、慌ててソファーに腰掛ける。

そのタイミングを見計らってか、彼は手に持っていた本を開き、読み始めた。

初めて会った時もこんな感じだった、あの時もすることが無くて(ライ)さんの読んでる本を眺めたりしていたっけ。

それからどれくらい経った頃だろうか、不意にページを捲る手が止まる。
ふと視線を感じてそちらを見ると、(ライ)さんがこちらを見ていた。


「ど、どうしました?」




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夕夜 - とっても面白いです!続き待ってますね。応援しています!! (5月7日 22時) (レス) @page43 id: 19daafe7ae (このIDを非表示/違反報告)
地銀(プロフ) - kemさん» ありがとうございます!CSSは自作です( ; ; ) (2022年7月31日 4時) (レス) id: ace2098bf5 (このIDを非表示/違反報告)
kem - めっちゃ面白いです!!!!CSSってどこのつかってますか?? (2022年7月31日 1時) (レス) @page19 id: c443e77f26 (このIDを非表示/違反報告)
地銀(プロフ) - あーちゃん様さん» 有難うございます!頑張ります( ; ; ) (2022年7月29日 1時) (レス) id: ace2098bf5 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん様 - 更新待ってます‼めちゃめちゃ面白いです‼ (2022年7月28日 19時) (レス) @page7 id: 875565d54e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:地銀 | 作成日時:2022年7月28日 7時

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