君についた強がりな嘘 (ページ19)

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──カシャン

『どうぞ、ひろ』

「あ･･･うん」

なぜ今俺が藤ヶ谷家に来ているかというとあの時大倉先生に言われた言葉がきっかけだった。

大「──藤ヶ谷、古典と現国がクラスの最下位でなぁ…来週再テストになったから、その2つが得意な北山が勉強見てあげてくれへんか？？」

という内容だった。

まさか、俺が藤ヶ谷の家庭教師になるとは…。

「おじゃまします･･･」

まぁ、勉強教えるのはクラスメイトとして、普通の事だしな…

何より藤ヶ谷とのこのギクシャクした空気を立て直すきっかけになれば･･･

なんて考えながら玄関の中に足を踏み入れた。

『スリッパはこれ履いて』

「あ、ありがと」

7年ぶりに見る家の中の光景に少しどきどきしながら、藤ヶ谷が差し出してくれたスリッパを履いた。

『まだ母親帰ってないし、俺が何か飲み物用意するね。先に俺の部屋上がってゆっくりしてて』

台所の方に歩いていった藤ヶ谷を見届けて、俺は二階の部屋へと上がった。

あの時は数え切れないほどここに来たな…昔よく遊びに来た藤ヶ谷の家の匂い。

部屋の前に着き扉を開けると、、、

･･･なにこれ、

めちゃくちゃオシャレなんですけどぉ!?
俺の部屋もっとごちゃごちゃしてるのに…

綺麗すぎて落ち着かないけど、とりあえず近くにあったソファーに座った。