＋2℃.

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＜藤side>









『ﾋﾟﾋﾟﾋﾞﾋﾟ』


藤 ｢ﾝｯ･･････｣


『ﾋﾟﾋﾟﾋﾞﾋﾟピッ･･･』


藤 ｢･･････よく寝たかも｣









ツアーにドラマ撮影に別の仕事に･･･って、

いよいよ疲れもピークで最近寝付きがいい。

寝る･･･と言うより落ちてる気もするが。









藤 ｢ふわぁ〜･････ﾊﾊ(笑)｣









朝一番俺の顔を緩ませたのは、

マネージャーよりも早く入ってたメッセージ。









《北山：行ってくる！》


藤 ｢ﾌﾌ･･･ヤル気満々だ｣









なんかよく分からないキャラクターが、

ガッツポーズをしてるスタンプがまた何とも言えない。

決して女々しくない北山のメッセージはいつも淡白。

どちらかと言えば俺の方が女々しいと思う。









《おはよう、頑張り過ぎて怪我すんなよ》


藤 ｢･･･ﾌﾌ｣









だからかな。

淡白で数えられる程度の文字数でも、

朝からメッセージが入ってればそれだけで嬉しい。



北山と付き合うことになって数年。

こんな些細な事がまだ初々しく嬉しいと感じるのは、

きっとベッタリとした付き合いをしてないからだと思う。



俺達は恋心が通じ合う前より先に、

お互いが大事で必要だと感じる存在だった。



だからか想いが通じ合った時も、

恋人になったからって恋人らしくいるより、

既にお互いにとってちょうど良い距離感があったから、

そこに新しい関係性が増えたってぐらいの感じで、

急に引っ付いてイチャイチャとかなかった。



でも時間が合えばちゃんと2人で会って、

あんなコトやこんなコトもしたりしてて、









『また秘密が増えちまったな』


『みんなに？』


『ん』


『･･･罪悪感？』


『いや、スリルがあって楽しい、ｳｼｼ』









2人だけの時間や思い出を密かに増やしている。

俺達の関係を｢秘密｣と言って笑う北山は可愛い。

そんな北山を隣で見てる時、凄く幸せだ。



そして秘密の相手は自分なんだって優越感を感じる度、

自由奔放で人との繋りが広い北山だけど、

特別なのは自分だけなんだって思えて安心出来る。









まぁ･･･欲を言えばもっとかまってほしいけど。









だけどそのままの北山が好きだから、

縛りたいとも我儘を通したいとも全然思わない。









思わないけど、たまに俺の事忘れてないかなとは思う。笑









北山はすぐ色んな事に夢中になるからね。

そこだけちょっと俺は心配だよ、北山。笑

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