＋2℃.

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＜北side>









北 ｢じゃあな｣


藤 ｢ん、またね｣









ツアーも名古屋を終え、

いよいよ俺は舞台の方へ本格的に集中する。

だから藤ヶ谷と会うのは暫く厳しい。









『ーﾝ･･･』


北 ｢･･･ｳｼｯ｣









閉まった玄関に俺は気持ちが引き締まる。

暫く藤ヶ谷に会えない事は、

寂しいか寂しくないかで聞かれたらまぁ寂しい。



でもまぁ元々頻繁に会ってる訳じゃないし、

どちらかが忙しくて会えないのはいつもの事。

別に仕事もあるから全く会えない訳じゃないし。









━ 2人で会えない ━









からってブーブーと我儘を言うわけでも、

物分かり悪く駄々をこねるような歳ではお互いにない。

でも藤ヶ谷は少し寂しそうだったかな。









『そっか･･･、また暫く会えないのか･･･』


『ん、わりぃな』


『別に謝る事じゃないから。頑張って』


『おぅ』









藤ヶ谷はいつもそう。

2人の時間が減るって分かると一瞬シュンとする。

でもすぐに受け入れてくれる。



そんな藤ヶ谷はいつもより可愛い。

いつもカッコ良すぎるからより可愛いく見える。

そんな藤ヶ谷を俺は好きだなぁって沁々思う。









北 ｢さて寝るか｣









俺のために我慢して1歩引いてくれて、

俺の意気込みを立ててくれて、

でもちょっと｢寂しい｣的な要素を含みつつ、

それでも最後にはちゃんと背中を押してくれる。









『ｷﾞｼｯ･･･』









そんな藤ヶ谷の言葉とか表情とか、

頭を撫でる力加減とか手の温もりに、

大事にされてんなって、好かれてるんだなって、

俺はいつも顔がにやけてしまう。









北 ｢ふわぁ〜｣









俺だって会えないのは寂しい。

でも舞台に集中したいし、楽しみだし、全力でやりたい。









北 ｢あ、目覚まし！｣









俺はあれやこれやとやりたい事とか気が多いから、

正直俺の心は藤ヶ谷1色にはならない。









北 ｢っぶねぇ･･･明日からいつもより早いんだった｣









それでも1人で寝る時に目を閉じた時だけは、

必ず毎回と言っていいほど藤ヶ谷を想う。









毎日一緒に寝れたらなぁ･･･









って、毎回必ず思う。

まぁだからってウジウジ悶々としないけどね。

1人で寝れないなんて事ないからすぐ寝る。









北 ｢･･･ｽｰ･･･｣









すぐ寝るけど、毎回そう思ってる。

そう思ってんだよ、藤ヶ谷。

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